納骨堂のタイプ別 メリット・デメリット

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ロッカー式や仏壇式など納骨堂には様々なタイプがあります。今回は、それぞれの壇のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

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実相寺 青山霊廟 岩田貴智
青山霊廟 岩田貴智

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納骨堂の5つの種類

一昔前は納骨堂といえば暗くて寂しいイメージを持つ人が多かったようですが、最近、特に都心ではとても明るくお参りのしやすい納骨堂が増えてきています。

納骨堂の「壇の種類」を大きく分けると、下記の5種類になります。


葬儀費用の基本的な考え方

1) 仏壇式
2) ロッカー式 
3) 機械式
4) 位牌
5) 合葬式(合祀)

壇それぞれのタイプの主な特徴と、メリットとデメリットに分けて以下から説明をします。

同じ種類の納骨堂でも各寺院によって形態が異なる場合もあるので目安ではありますが、参考にしていただきご自身や家族の考え方にあった納骨堂選びのお役に立つことができればと思います。

1)仏壇式の納骨堂

納骨壇の上段は仏壇と同じく御内仏さま、位牌がおけるスペース、ライト、棚などがあります。

下段にはお遺骨箱を安置するスペースが設けられています。家族代々に渡って継いでいく形式が多く、壇の幅や奥行きによって入る骨箱の数が異なります。

よくみる遺骨の上限数は、おおよぞ、骨壷4体分から10体分程度が多く見られます。

多くの場合、永代供養または33回忌まで利用可能で、管理費用が発生します。

東京都内だと納骨壇使用・永代供養料金が120万~200万程度で管理費は1万円~2万円程度です。

他の納骨壇タイプと比較すると料金も高めですが立派なお壇が多く、石のお墓のように代々利用する目的で契約する人が多いです。

仏壇式の例
仏壇式の納骨堂の例(実相寺 青山霊廟)

仏壇式納骨堂のメリット

個別の壇になっているうえに、ご自宅に仏壇が置けない人も上段に位牌や遺影を置いて供養を一本化することができます。

また、幅も高さも他の納骨壇タイプの中で最も個別のスペースが利用できるので、お参りがゆっくりできる点もメリットです。

安置スペースも広いので、墓石のお墓と同じく家族代々墓として利用できるのでこの異常気象の中では、手入れ不要の室内版のお墓として供養できる点も好評です。


仏壇式納骨堂のデメリット

納骨壇としては、家族代々の墓として利用できることもあり、費用が他の種類の納骨堂と比べて高い傾向にあります。また、寺院の決まりによっては墓の跡継ぎ(管理者)がいない人は利用できない場合もあります。

2)ロッカー式の納骨堂

同じ大きさのお壇が集合していることからロッカー式と呼ばれます。最近のロッカー式は素敵なデザインが施された壇も見られるようになり、料金も比較的選びやすい価格帯も増えています。



実相寺青山霊廟ロッカー式
ロッカー型の納骨壇の例(実相寺 青山霊廟)

ロッカー式納骨堂のメリット

個別でのご安置なので、故人様(ご遺骨)がとても身近に感じられ、専用のスペースが利用できる「お墓」といえます。寺院によってはロッカー内を自由に飾って良い場合もあり、思い出のアルバムやプリザーブドフラワー、思い出の品などを飾ることもできます。



ロッカー式納骨堂のデメリット

コンパクトなのでコインロッカーのイメージと重なり、その印象が気になる方もいらっしゃるようです。

3)機械式・可動式の納骨堂

専用カードを機械に通し、タッチパネルで操作することでご遺骨が自動にお参りスペースに移動します。機械式、可動式、ハイテク式、カード式などさまざまな呼び名がついています。

ご遺骨の収納場所は何千~何万のご安置が可能なスペースがある為、外観や設備が充実しているものが多いです。

機械式納骨堂のメリット

最新式なので、広くて綺麗で、「新しいお墓」といったイメージです。葬儀も執り行える広い会場や安置スペースや休憩室などを備えた納骨堂もあります。

手ぶらでお参りができ、お参り時間も比較的長いため都心にある機械式の納骨堂についてはお参りしやすい特徴もあります。


機械式納骨堂のデメリット

何万基という遺骨箱を収蔵する施設も中にはあり、契約者多いほどお盆やお彼岸などの時期になると、お参りスペースも混み合ってお参りにかなり時間がかかる場合もあります。

また、機械式なのでシステムメンテナンス等に費用がかかるため、年間管理費が15,000円など他の納骨壇と比較して高めと言えます。

4)位牌式の納骨堂

お内仏様の脇(周り)にひな壇を設けてお位牌を立てる形式で、ご遺骨の安置スペースは別に設けている納骨堂が多いです。遺骨箱は箱からだした遺骨を永代供養墓に合祀、または遺骨の1部を位牌壇の中に分骨して残りを永代供養墓で合祀するケースがあります。

ロッカー式よりも費用が抑えられる場合が多いです。

位牌壇の例
位牌式の納骨堂の例(実相寺 青山霊廟)


位牌式納骨堂のメリット

個別のスペースに安置が可能で、他の壇に比べると費用は抑えられます。身寄りがない方や分骨目的で利用する方が多いです。



位牌式納骨堂のデメリット

骨壷が見られないことや、分骨する場合が多いです。安置スペースは他の方と1ヶ所に収容されて個別のお参りスペースがない場合が多いです。

5)合葬式(合祀)の納骨堂

永代供養墓(塔やモニュメントの形をしていることもあります)の中に、棚がありご遺骨をご安置する形式で、骨壷のままご安置する形式と、遺骨箱から遺骨をだして土に埋葬して合祀する形式とに分かれます。この合祀する形式が5つの種類の中で、最も費用を抑えることができます。


 
合葬式の例
合葬墓の例(実相寺の合葬墓)

 

合葬式納骨堂のメリット

他の納骨壇のタイプと比べて最も費用が抑えられます。



合葬式納骨堂のデメリット

合祀した場合は、他の方の遺骨と一緒に供養されるため、遺骨を後から引き取ったり、引っ越すこと(改葬)はできません。

また、お参りは1つの永代供養墓に手を合わせるのみになり、寺院や霊園によっては花や供物のお供えもできない場合もあります。

納骨堂のタイプ別 メリット・デメリットのまとめ

それぞれの納骨堂で契約費用や管理費、お参りのルール、お布施戒名の考え方など細かな内容は異なります。

最近は機械式の納骨堂が異常なスピードで建設されていますが、中には供養業界に明るくない海外のファンドや電鉄会社などあらゆる業界からの参入がめざましく、供給過多で納骨堂を選ぶご家族からすると「どこがいいのか分からない・・・」とお悩みになっている方も増えているように感じます。

納骨堂もお墓と一緒で長いお付き合いになります。

費用やパンフレットだけなく、実際に足を運んでみて交通状況や、寺院と納骨堂の雰囲気など良く考え後悔のない納骨堂を選んでいただきたいので、実際には見学して確認することをおすすめしますが、納骨堂の選びの一つの参考にして頂きたいと思います。

また、インターネットでご自身で調べてもよくわからない場合は、納骨堂の管理事務所や納骨堂の紹介センターの相談員など、人に聞いて確認すると注意事項などを踏まえて確認もできますので安心です。

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実相寺 青山霊廟 岩田貴智
青山霊廟 岩田貴智

青山霊廟管理事務所の気のいいおじさん。納骨堂の掃除から相談、納骨後の葬儀・供養、おひとりさまの介護施設・死後事務委任のことまでトータルに支援。03-6804-2870(年中無休(年末年始を除く)・9時~17時)

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