納骨堂のLINE見学予約受付中!動画解説付き【東京都港区の納骨堂/青山霊廟】
「ずっと家にいて終活が進まない」 「そろそろ納骨したいのに見学ができない」 そんなお悩みを少しでも解決すべく、青山霊廟(東京都港区北青山2-12-9・外苑前徒歩2...
大乗山経王寺住職・互井観章 × エンディングコンシェルジュ・池邊文香
池邊文香(以下、池邊):お金の勉強をせずに定年を迎える方もとても多い印象です。
互井観章さん(以下敬称略、観章):お金は持っているけれど、有効活用する術を知らない人ね。これも結局、自分と向き合ってこなかったという部分につながる。定年後や老後にどう生活していくか、真剣に向き合わなかった結果、結論を出さなければいけない時期が来てしまったという感じかな。
池邊:そうですね。とくに私の周辺ではお墓が変な風潮になっています。お墓は本来、自分がどこで最後を迎えたいのか、家族はどう思っているのかという「気持ちの部分」がとても大切です。その大切なところをすっ飛ばし、形から入っている方がとても多い。
観章:それはお寺側にも問題があるよ。永代供養とか樹木葬をやっていますと大々的に宣伝をかけ、実際に見に行くとお寺だと思っていたのに営業マンみたいな担当者が出てくるところもあるよね。誰あなた?みたいな人。
池邊:あります。すごく多いです。
観章:しかも住職が全く出てこない、または一番最後に出てくる。ヒドイところだと、誰かが死んで、葬式の段階で初めて登場するなんてあるからね。死んだ時に初めて住職に会って「こんな人だったんだ」ということ、結構あるハズです。すごく良くないことだよね。永代供養のお墓や納骨堂を買い求める人は、其の寺の住職と面談しないと絶対にダメですよ。
池邊:うちも納骨堂を運営していますが、契約までには必ずご住職や副住職に来ていただきます。両者の都合を合わせるので時間はかかりますが、皆さん心から安心されますよ。顔が見えるとその後の供養や葬儀の相談も気軽にできますよね。
観章:今のままだと、永代供養の名を借りた「ご遺骨の捨て場」になってしまう気がしてなりません。
池邊:おそらく、楽という発想が先行しているのでしょうね。老いていく自分や家族のことに向き合ってこなかった日本人が、深く考えずにそれなりの金額で「供養した雰囲気」を買っている。
これは葬儀パック20万円などが台頭している葬儀にもいえることです。消費者庁へのクレームが増えているそうですが、たった1度の葬儀や供養のあり方として「何かがまちがっている」という感覚は拭えません。
観章:確かに、供養やお墓のことにちゃんと向き合う場合、お寺でお坊さんとコミュニケーションを取らなければならないですよね。そうなると、自分と向き合いたくない人も向き合わざる得なくなる。お坊さんに触れれば触れるほど、自分が触れたくない所に入ってかなきゃいけない場合があるから、嫌がる人も多いかもね。
池邊:そういえば最近、なんでも自分でコントロールできると勘違いしてる人が多くなったなと感じています。謙虚さが欠けているというか、自分ひとりの足で立っていると勘違いしている人。今現在、自分が中心で問題なくても、これから老いて死んでいく時には必ず誰かの手を借りなければならないのに。
観章:残念なことに、お金さえあればなんとかなるように思わせるシステムが出来ちゃったから。困ったもんだよね、本当はそうじゃないんだけどね。
池邊:そうですね。1日誰とも喋らずにいても、何らかの世話になっているはず。食だけは外せませんから、食べ物などを運んでくれる家族、ネット宅配、コンビニの店員さん。そのコンビニに荷物を運んでくれる人、工場で生産する人…キリがない。
観章:お坊さんと接すると、そんな「驕った自分」に気がついてしまうから、楽なシステムが都合いいのでしょう。
池邊:今の終活ビジネスをみていると「死すらコントロールできる」と思っている人たちや企業が多いと感じます。「自分はこう死にたい」「お金も手間もかからない方がいい」などのニーズが煽られ、家族や大切な人と相談する隙も与えぬまま「死に支度」をさせる。
どのように老いて死んでいくのかは、家族や大切な人との対話の中から見えてくるはずですが、ひとりよがりな選択肢に辿り着く流れになっています。生きるってそういうことだっけ?と、時々わからなくなります。
観章:いつの間にか日本全体がそんな風潮になっているよね。「老病死」に向き合わない環境が長く続いたことの弊害からか、快適な老人施設で幸せな最期を迎えようとか、老後にいくらかかるとか、一人で亡くなることが不幸なことだとか。
どこかの誰かがビジネスとして、つまり、お金儲けのために仕掛けているのではと感じるところもありますよね。一番お金を儲けようと思っているのは、国のような気もしますが。
池邊:まさしく今、激しい論戦が繰り広げられている問題ですね。
観章:国の政策って、本当にどこまで信じていいのでしょう。われわれはこれまで、様々な分野で幻を見せられてきた。真に向き合わなかったことで、なんだか騙されてきたことが多くありませんか?何にも考えない私たちの方が、国も都合がいいわけですよ。
福島原発であんな事故があったのに、また稼働することに国民全体がもっと意見を出して考えた方がいいはず。人生後半の生き方や暮らし方についても、同じことが言えると思うんです。そのツケは子どもたちへいく。老後に迷惑をかけるより、もっと重大な迷惑かもしれません。
池邊:どんな未来を子どもたちへ提供できるかは、今生きている大人の責任ですよね。その大人が腹を割って話し合いができないのに、子どもたちを豊かに育てられるわけがないと思います。間違いをうやむやにする愚かさとか、利益のみの世の中とか、私たちでもウンザリする場面が多いのに、これからの子どもたちは日本にいたくなくなっても仕方がないですね。
観章:とくに長く「向き合わない日本」で生きてきた50・60・70・80代は真剣に考えなきゃいけないよね。だって人口のほとんどを占めるんだから。
池邊:その世代の方たち、本当は気づいていると思います。目には見えないけれど、確実に、曇天のように頭の上にある「生きづらさ」はずっと感じていたはずです。
観章:そう、だから今こそ思考を変えなければならないんです。それは苦しいし、大変だし、それこそ今まで長く生きてきたアイデンティティなどが崩壊してしまうかもしれないけど、そうしないと日本はもうダメになってしまいますよね。
池邊: 引きこもりの人の数もどんどん増え、目に見えるだけでも60万人。潜在的にはもっといらっしゃいます。それも低年齢化・高齢化している。生きることさえ嫌というレベルの人が増えていることに、すごく危機感を覚えます。
観章:もう少しすると、引きこもることもできないし、社会にも出られないという「引きこもり難民」がたくさん出てくると思います。面倒をみていた親御さんや施設がなくなってしまって、どうすることもできない人たちが溢れてしまう。
池邊:多くは誰かが作った幸せやルールにハマれなかっただけなのに、本当に辛いですよね。その挫折感を味わった時に、寄り添ってくれる人がいたら変わっただろうなと思います。
観章:こんな生きにくい時代の今こそ、仏教のアイデアを使うといいと思うのですよ。そもそも、お釈迦さまも引きこもりだったんだから。
池邊:そうでした!
観章:お釈迦さまだって、生きるのに悩んでたよね。外に行っても楽しいことなんてない、女性と遊んでもお酒を飲んでも面白くない。どうしてこの世はこんなに苦しいのか…と悩んで引きこもった。引きこもって苦しみながら考えて考えて、瞑想をして心をコントロールすることに気が付いた。やっと手に入れたアイデアで悟りを開いたんです。
池邊:なるほど。今がなぜ苦しいか、自分の中で解きほどかないと解決しないんですね。
観章:お釈迦様は一人で修行して悟りを開きましたが、弟子たちはサンガという集団生活をしながら修行をしました。志を同じくする共同体の中で、励まし合い切磋琢磨して一人一人が修行に励み悟りを目指したんです。
今であれば社会から少し離れ、テレビもインターネットもないところで静かに自分を見つめる修行をする。誰もが気軽に安心して参加できる、そういうサンガって仏教でできないもんでしょうかね。
池邊:引きこもるならそれがいいかもしれない。普通の生活では考え続けることも難しいですからね。
観章:仏教が全部引き受ける代わりに、とにかく考えてもらう。スマホもないから、考えるか寝るか。すると「俺は一体何者なのだ」という思考になると思うから、もしかしたら新しい世界が生まれるかもしれません。お釈迦さまもそうして悟りの境地が生まれたのだから。
池邊:究極の自分との向き合い方ですね(笑)。今の時代に本当に必要なものが生まれそう。
観章:国やお寺も、変なことにお金を使わないで、引きこもり支援に当てればいい。潰れた福利厚生施設などを使ったりね。そういう人たちが集まると、今までとは違うアイデアや動きが出てくるはず。衰退していく今の日本を変えていく支援だと思うよ。
池邊:第一次産業が生まれる流れですね。その体験を手記にもできそう。「引きこもっていたけど、その後人生楽しんでます」というお話も有り得そう。
池邊:誰かの幸せを追いかけることが、苦しさや生きづらさの原因ならば、単純に自分の幸せってなんだっけ?とシンプルに向き合ってみると、案外スーッと楽になるのかな。それは求めている幸せではないかもしれないけれど、少なくとも心は軽くなるはず。
観章:どんなに目を背けていても、自分と向き合わなきゃいけなくなる時期が必ず訪れます。定年退職、家族の病気、環境の変化など。仕事イコール人生、子育てイコール人生で生きてきた人は、全てを捧げてきたモノが無くなって「なんのために生きていくの?」となる。突然の空虚感に襲われて「生きる」という部分に向き合わなければならない。
池邊:日本人は1+1は2というすでに用意されている答えを出す訓練を学校教育は施されてきているから、「生きるって何?」という答えのない問いを考えてを言葉を探して、表現するのが苦手ですよね。
観章:その答えを探していくのが、今立っている以後、残りの人生なんですよ。答えを探し続けていく生き方こそが、生きる意味なのです。なぜ「生きるとは○○だ」と断言したいんでしょうか。答えなんか無いということに気づいた方がいいと思います。
池邊:「幸せ探し」と一緒ですね。
観章:なぜもっと自由になれないのだろうと。そりゃ、生きづらいと感じるはずよ。
池邊:現代人は全てをカテゴライズしないと安心できないのかも。自分と向き合わないからこそ、誰かが付けたラベリングに流される。思考回路がそうなってしまっています。そこからはみ出してしまった時、劣等感や辛さに押しつぶされてしまうのではないかと思います。
観章:その土地、場所、空間、それぞれ生活も内容も全然違う。北海道で暮らしていた人が沖縄に移住しても、北海道の生活そのままというわけにはいかないでしょ。自分の生活や希望をキープしたまま何かを始めようとするから無理が生まれる。
池邊:そうですよね。50歳の生活をその後もキープしようとするから無理がある。
観章: 50歳と60歳は違うんだから。60歳には60歳の生き方があるし、80歳には80歳の生き方がある。もちろん、気持ちを若く保つことはOKだし別問題だよ。
池邊:「今の生活や自分をキープしなきゃ」という風潮も苦しくなる要因かもしれませんね。今ほど情報やものが溢れていない時代は自然に歳を重ね、その時々の年齢や生活、役割を受け入れてきたわけですし。
観章:だからみんな苦しくなっちゃう。理由は明白ですよ。
池邊:日本企業の多くは、シニア層に若い人と同じような働きを求めちゃう。働く意欲があるシニアに対して、どれくらい体力あるの?パソコンできるの?とか。すべてが若い人の基準なので上手く回るはずがないですよね。「若い人並みに働けないならばいらない」という一方で「人生100年時代」を推進。全然かみ合っていません。
観章:それも日本らしいね。あと、みんな「居場所がない」というでしょ?「居場所がない」ことがマイナスだという風潮も良くない。いいじゃん、居場所なんてなくたってさ。どこかに私の居場所があるって思うから辛くなるんでしょ。あったらあったで執着しちゃうし。
池邊:なるほど。そういう考えも面白いですね。
観章:今、自分がいる場所、それが居場所。退職して仕事場という居場所を失い、家族から疎まれて家での居場所を失い、友人が少なくなり、親戚付き合いがなくなり…それで自分の居場所をみつけられないまま人生あっという間に終わってしまう。居場所がないということは、自らでコミュニティを作ってこなかった結果です。
それを打開するためには、まずダメな自分を知ること。それからカッコつけることをやめる。歳をとると「知らないから教えて」とか「ありがとう」を言えなくなるよね。その無駄なプライドや肩書きを捨てることも大切です。
池邊:そういう年の重ね方ができると楽だし、老いても若者やいろんな価値観、考え方の人と交流を持って生きていけそうですよね。素敵だなと思う60・70代の方は、新しい職場や仕事にも飛び込んでいって「教えて~」「これどうやるの?」と新しいことやわからないことにも前向きで、素直な反応をされます。こちらも年の差なんて忘れて「自分もこんな感性を持っていたいな」と感じるほどです。
観章:どんどん新しいことに挑戦すること。結局、居場所は自分で作るしかないのです。今こそ、定年世代の人たちは自分に向き合うべきだよ。幸せという名の幻を追っかけて生きるのはもうやめよう。
皆さんの生き方が、家族、地域、ひいては日本の未来を変えるきっかけになるのです。今生活している場所が皆さんの居場所となり、そこで幸せを感じる時間が過ごせることを祈っています。
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