東京都の後悔しない葬儀社の選び方とは?

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この記事は葬儀お墓供養の相談8000件以上携わってきたエンパーク編集部の池邊がお伝えします。


この記事では、初めて東京都で葬儀社を選ぶ人に知っておいてほしいポイントを4つにまとめました。

葬儀社の選び方のポイントは大きく2つです。

・担当者と喪主の相性
・費用、式場などの条件一致

です。

では特に東京・神奈川・埼玉・千葉などの葬儀社が多く、土地勘がない人が多い関東圏ではどのようにしてこの2つを軸に葬儀社を選べばいいのでしょうか?その方法は大きく以下の4つに分かれます。



喪主が葬儀社を探す主な方法

喪主が葬儀社を探す方法と各選択肢の特徴をお伝えします。

(1)知人や自治体、NPOなどに相談して葬儀社を直接紹介してもらう
(2)インターネットやチラシなどで葬儀社を比較し、直接相談する
(3)インターネットで「◯◯プラン」などをうたっている仲介業者に依頼する
(4)インターネットを介して葬儀相談員に疑問・希望を伝えて自分の代わりに選定してもらう

知人や自治体、NPOなどに相談して葬儀社を直接紹介してもらう

自治会や商店街、NPO組織などのつながりがある場合は有効です。地域のネットワークという信頼できるコミュニティでかなり確かな業者の情報を得ることができます。


インターネットやチラシなどで葬儀社を比較し、直接相談する

例えば品川区に住んでいた場合、「品川区 葬儀社」などで検索をして、葬儀社の公式HPのみをピックアップし、自身で問い合わせることです。霊園や士業も同様です。

この場合は自身で要望をまとめておくことで比較もしやすいです。良い業者に出会えれば納得感も高いといえます。一方、かなりの情報収集時間と相談にかかる労力は必要になります。


インターネットで「◯◯プラン」などをうたっている仲介業者に依頼する

「イオンのお葬式」「小さなお葬式」「よりそうのお葬式」「いいお墓」をはじめとしたサービス名で知られる仲介サービスを利用する方法です。

葬儀については各社プランを設けており、「50万円 追加費用なし」などでよく知られるようになりました。プランとエリアで選択するため、葬儀社の選択というよりもプランの選択で使用する人が多い方法といえます。


葬儀やお墓の選択経験があったり、同一のサービスの利用経験がある人にとっては便利なサービスです。

一方で、喪主の経験がなかったり、相談できる人もいない人にとっては思い違いや選択基準の甘さなどから「こんなはずじゃなかった」「聞いていたのとちがう」といったトラブルになることもあり、特に仲介サービスを利用したことで消費者センターへのクレームが相次ぎ、消費者庁から仲介サービス業者に対して措置命令が出された事実もあります。

依頼する前に思い違いがないか?自分でしっかりと相談の段階で確かめる必要があります。


インターネット相談員に疑問・希望を伝えて自分の代わりに選定してもらう

インターネットで「葬儀相談」などで検索をすると、一般の方の目線に立って業者の選定している「紹介サービス」「相談センター」「相談窓口」といった名前で見られます。エンパークで運営している喪主サポートもこの選択肢に該当します。

プランはなく、1人1人の状況・悩みに対して解決方法の選択肢を提示し、業者の選定も行います。基本的には相談員の「相談経験」、紹介してもらえる業者の「質」が異なります。

どんな相談員が在籍しているのか?どんな基準で業者を選定しているのか?などを確認のうえ相談すると良いでしょう。昨今は、葬儀社や石材店などが自社のサービスを紹介する目的で「相談窓口」を立ち上げている場合も見受けられますので注意が必要です。

第三者的な視点で提案・解決してくれる窓口に相談するようにしましょう。

お葬儀の立ち会いで撮影させていただいたお写真

葬儀社を選ぶ前に、葬儀を行う場所を決める

葬儀を町会などの互助関係によって行っている地域では、自治体の会館や亡くなった方の自宅を使って葬儀を行うのが一般的でした。

核家族化、地域のコミュニティの希薄化が進んだ都心部では公民館や自宅での葬儀は珍しくなっており、葬祭場斎場)や葬儀会館での葬儀をあげること方が一般的になっています。

また、亡くなる場所も自宅や自宅近くの病院とは限らず、自宅から離れた病院や介護施設、ホスピスなど変化しています。

自宅で葬儀を行うことが難しい場合は、基本的には喪主を筆頭に家族や親族など葬儀に参列する人が集まりやすい場所はどこなのか?を軸に決めていくと良いでしょう。

ただ、場所よりも「寝泊まりできる式場」、「とにかく費用を抑えて借りられる式場」など重要視したい条件がある場合はもちろんその条件を軸に選択してください。


東京都で代表的な葬儀を行う式場の事例

代々幡斎場

代々幡斎場

住所 東京都渋谷区西原2-42-1
アクセス 京王新線 幡ヶ谷駅 徒歩6分
費用 雪の間:248,050円(2日間)
竹の間:110,000円(2日間)
収容 雪の間:40名(着席)
竹の間:8席(着席)
利用条件 住居地、宗旨宗派問わずに利用できる民間運営の施設。お通夜から告別式までの宿泊可能。式場(雪)は、10名~150名くらいで利用されることが多いです。
備考 火葬場が併設された葬儀斎場。竹の間は控え室がありません。数名での葬儀に向いた式場です。大規模な葬儀の場合は、「雪」の部屋を2つ借り切ることも可能です。

桐ケ谷斎場(民営)

住所 東京都品川区西五反田5-32-20
アクセス 東急目黒線「不動前駅」下車、徒歩約7分
費用 雪の間 248,050円
収容 式場:約40名(着席の場合)
利用条件 火葬場が併設された葬儀斎場。住居地、宗旨宗派問わずに利用できる民間運営の施設。お通夜から告別式までの宿泊可能。式場(雪)は、10名~150名くらいで利用されることが多いです。
備考 民間の火葬場・貸式場で、どなたでも料金は同じです。火葬費用は等級によって異なりますが59,000円~です。
※桐ヶ谷斎場はあくまでも火葬場、貸し式場です。葬儀自体は行っておりませんのでご注意ください。お通夜の仮眠(宿泊)も可能です。

臨海斎場(公営)

住所 東京都大田区東海1-3-1
アクセス 東京モノレール「流通センター」駅 徒歩約10分
費用 葬儀式場 56,000円
遺族控室 14,000円
会葬者控室 30,000円
収容 着席 約70席
利用条件 港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区の5区で共同運営しています。該当者または喪主がこの5区の住民であれば組織内料金で利用できます。
備考 一般的な葬儀の場合、式場、控室、会葬者の控室の利用が必要になることが多いです。火葬費用は港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区民であれば40,000円、区民外の人が利用する場合は80,000円。合計で10万円程度と考えておくといいでしょう。

落合斎場(民営)

住所 東京都新宿区上落合3-34-12
アクセス 地下鉄東西線 落合駅下車 徒歩5分
費用 雪の間 243,540円
収容 式場:約40名(着席の場合)
利用条件 どなたでも利用可能です。式場(雪)は、10名~150名くらいで利用されることが多いです。
備考 民間の火葬場・貸式場で、どなたでも料金は同じです。
※落合斎場はあくまでも火葬場、貸し式場です。葬儀自体は行っておりませんのでご注意ください。お通夜の仮眠(宿泊)も可能です。

南多摩斎場(公営)

住所 東京都町田市上小山田町2147
アクセス 京王相模原線「南大沢」駅 タクシー約5分
費用 第一式場(新館):140,000円
第二式場(新館):50,000円
第三式場(旧館):50,000円
※組織市民料金です
収容 第一式場(新館):104席
第二式場(新館):35席
第三式場(旧館):80席
利用条件 該当者が八王子市・町田市・多摩市・稲城市・日野市の住民であれば市民料金で利用できます。
また、該当者が組織市以外の住民の場合は、喪主が組織市内に住民登録がなければ、使用できません。
備考 第一式場と第二式場は白木祭壇が常設されています。常設の祭壇は各宗派に対応可能です。
組織市民の場合は、火葬料は無料です。

この他にもたくさんの葬儀式場が東京都内には存在します。以下で東京都のエリア別情報一覧も合わせてご確認ください。荒川区 、品川区、新宿区、板橋区、練馬区、港区、世田谷区、杉並区、千代田区、台東区、多摩市、町田市、などについて紹介しています。地域別葬儀社・葬儀式場の記事一覧へ

良い葬儀担当者の見極めポイント4つ


東京都は23区内を中心に、学校や病院の数と同じくらい葬儀社があります。良心的な葬儀社も多い一方、ご家族に寄り添っているとは言い難い心ない葬儀社もあることが事実です。

万が一があってから、葬儀社を手配するのは喪主本人が動けない場合もあり、親族も混乱している中なので想像するよりも大変で、精神的負担が増えます。

また、まったくなにも情報がない中で葬儀社を選ぶと確認や相談事項も増え、時間的拘束も長くなります。

可能ならば少しでも家族間で相談する時間がある段階で、ご家族の希望する葬儀内容について、葬儀社に相談し、費用と対応の両方を確認して、連絡先を控えておくことで、万が一のことがあっても最小限の対応で葬儀の準備を進めることができます。

事前に葬儀社を選ぶ場合、冒頭では、葬儀社選びにおいて、担当者と喪主(および家族)の相性が重要であることをお伝えしました。

ここからは詳しく葬儀社の担当者を見極める方法についてチェックしてみましょう。

1)葬儀担当者の提案力

【良い例】相談者の話に耳を傾け、納得のいくお別れができるように柔軟な提案や丁寧に説明をしてくれる担当者。直葬と聞いて安易に直葬プランに当てはめるだけではなく、例えば「直葬だけどお別れの時間がもちたい」という家族の希望にあわせて、寝泊まりができる場所を借りてお別れの時間を設け、火葬式を行う提案など。

ただし、仲介サービスのプランに喪主が申し込んでいる場合はプラン以外のことを葬儀社が家族に提案することを禁じられている場合もあるので注意が必要。

【残念な例】一方的に葬儀社のプラン内容を押し付ける態度であったり、「お父様くらいの方ですとこれくらいのプランをみなさんお選びになりますよ」などとなるべく豪華で高価な式場やプランを勧めようとする担当者。


2)葬儀費用の説明

【良い例】何がプランに含まれていて、追加で必要な可能性がある場合の説明など、葬儀の総額で必要な費用を伝えようとする担当者。

また、例えば闘病生活が長くご遺体の状態がよくない状況であればあらかじめ「ご遺体のメイク」など必要な技術を提案して費用も説明してくれる。家族が判断に迷った場合は複数パターンの見積書を提示してくれるなど最大限理解できるように寄り添ってくれるなど。

【残念な例】費用に関する説明が不十分で葬儀費用の一部しか説明がなく、意図せず追加費用が発生したり、こちから説明を求めなければ説明をしようとしない担当者

3)葬儀担当者の変更について

【良い例】最終的な見積りの打ち合わせから、葬儀の実際の施行、請求に至るまで、一人の担当者が責任をもって対応してくれる。依頼時に葬儀が重なった場合でもしっかりと引き継ぎをうけた担当者が代理で担当してくれるなど。

【残念な例】十分な説明や引き継ぎもなく担当者が変更になり、打ち合わせと異なる葬儀式になるなど。


4)地域・式場の葬儀事情に精通しているか

【良い例】地域の葬儀事情に精通しているだけでなく、地域の葬儀の風習なども把握したうえで、葬儀で行われる事柄にどんな意味があるかを説明してくれる担当者。

また、僧侶への対応や参列者へのマナーなどわからないことは気さくに教えてくれる。葬儀後の相続や供養への疑問にも応えてくれるなど。

【残念な例】式場経験がない、地域の葬儀に明るくないなどの経験不足を説明することもなく、「葬儀はこういうものですから」と、無機質な対応。葬儀の意味や宗教への関心が薄く、形式的に葬儀を進める担当者など。

ポイントを4つにまとめてお伝えしました。また、究極は葬儀担当者とは相性も非常に重要です。自分が安心して相談できる、任せることができる人柄、対応の葬儀担当者であれば結果的に「良いお葬儀だった」と思えるのが体験型の葬儀社というサービス業の醍醐味であり、難しい点であるといえます。

葬儀については、分からないことがたくさんありますので、自分が安心して任せられる担当者を選びたいですね。


喪主が最低限しておきたい5つの葬儀の備え

□葬儀の流れは把握している?
葬儀の流れ
□葬儀費用の知識はありますか?
葬儀の費用
□自分の家の宗教・宗旨はご存知ですか?
宗旨について
□家族葬など葬儀の形式を考えていますか?
近年の葬儀の傾向
□葬儀社は決まっていますか?
葬儀社の選び方

葬儀費用の基本的な考え方

・葬儀施行に関しての費用
・式場使用料(お通夜、葬儀・告別式)
お布施など宗教儀礼への奉納費

葬儀でトラブルのきっかけになりがちな葬儀費用。葬儀費用は大きく上記の3つのかたまりを「葬儀費用の総額」として予算を考えましょう。詳しくはこちらの記事をご確認ください。葬儀の費用

ちなみに、2020年2月に「いい葬儀」を運営する鎌倉新書が行った「第4回お葬式に関する全国調査」の結果によれば、

全国の葬儀費用の平均(火葬場使用料・式場使用料を含む。飲食・返礼品費用・お布施は除く)は、1,191,900円
葬儀の飲食にかかった費用は、平均が31万3,800円
返礼品にかかった費用は平均33万7,600円 
平均人数は55人

でした。

これはあくまで平均値なので、実際には葬儀を行う地域、式場、人数、宗教などによって異なりますのであくまで参考程度にご確認ください。

葬儀社に事前に見積書を取る場合は葬儀費用の総額はいくらになるのか?を確認しましょう。また、予算を考えるときは以下の計算式を参考にしてください。

葬儀費用の予算は引き算で考えましょう

予算総額−飲食費用−お布施=葬儀施行費用
30名の家族葬 僧侶1名の事例)100万円−30万円−30万円=40万円

   

葬儀社に相談する前に知っておきたい葬儀事情

「葬儀を終えて後悔している・・・」

「低価格で葬儀が行えると思って依頼したのに、必要な遺体の保全処理をしてもらえず、後悔している」

知識がないままインターネットで葬儀社を選んだ方の中には「葬儀トラブル」にあってしまったケースが珍しくありません。自分は大丈夫とおもっていても「まさか」がありえるのです。

今、日本ではインターネットに記載されている「追加料金一切不要!」「定額プラン!」といったキャッチーな内容を見て葬儀社を紹介してくれるサービスを利用して葬儀を行う流れが大きくなりつつあります。

その流れに伴って、2017年12月 イオンライフ株式会社(「イオンのお葬式」「イオンの終活」等)、2018年12月 株式会社ユニクエスト(「小さなお葬式」等)、2019年6月  株式会社よりそう(「よりそうのお葬式」等)に景品表示法違反行為があったとして、それぞれ消費者庁より措置命令が出されています。

尚、2019年4月にはイオンライフが景品表示法違反で課徴金179万円の納付という指示を受けました。いずれも、表示された料金内で葬儀の依頼が可能と表示しているにも関わらず、追加費用が発生してしまうことが問題視されたためです。

先に記載したように葬儀は体験型のサービス業です。

結婚式と目的はちがえど大きな構造は同じです。つまりインターネットで結婚式のプランを選択している。という状況を疑問に思わず、葬儀社への相談や式場見学をせずに葬儀を執り行っているがためにおこってしまう、ある意味おこるべきしておこったトラブルなのです。

こういう状況だかたこそ、私は喪主になり得る方にはできるだけ事前に知識を入れて、自分で葬儀社、葬儀式場を選択して自身や家族の考えと大きなずれのない葬儀を執り行う備えが必要だと考えています。

ここまでお読みくださった方は事前の備えが1つ進みました。ぜひご自身にあった方法で良い葬儀社に出会い、無事に葬儀が執り行える備えを完了させてください。

この記事を書いた専門家

池邊文香

定年世代の終活をサポート。葬儀・お墓相談経験8000件以上。エンディングコンシェルジュ。シニアライフカウンセラー養成講座講師。enpark編集部。問い合わせフォーム

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