献体登録者の葬儀とは

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献体は、お葬式やお墓がいらない」と勘違いされることがありますが、献体する場合でも、葬儀は行えますし、遺骨も返ってきます。

献体とは

献体とは、医学・歯学の発展のため、自分が亡くなった時に、医学・歯学系の大学に遺体を提供することをいいます。提供後は人体解剖実習などに役立てられます。

この場合の解剖はあくまで医学生の教育の基礎行われるものです。病理解剖や、亡くなった原因の究明、死亡時刻の推定のために行われる行政解剖司法解剖とは異なります。

献体登録者が亡くなると、家族が登録先の大学に連絡します。基本的に大学は48時間以内の遺体の引取りを希望します。言い換えると、48時間以内であればお別れの時間があるということです。

献体する場合の葬儀とは

遺体を献体する場合、葬儀には2通りの方法があります。

遺体がある状態で葬儀を行う

「献体をするから葬儀ができない」というわけではありません。大学側に遺体を渡すまで48時間ありますので、その間にお通夜と葬儀・告別式を執り行います。

亡くなられた当日の夜に通夜

翌日に葬儀・告別式

出棺火葬場ではなく、大学に搬送されます。大学側が用意した車両が遺体を預かりに来ます。

遺族は、葬儀までの費用を負担します。式場から大学までの搬送代と火葬料金については大学側が負担するのが一般的です。

数年後に解剖実習が終わったところで大学側によって荼毘に付され、遺骨が返ってきます。大学によっては、遺族の意思で骨上げに立ち会うことができるところがあります。

また、多くの大学では、大学側が遺族を招待して献体された人々を祀る慰霊祭を毎年執り行っています。


遺体がない状態で葬儀を行う

亡くなった後、そのまま献体する大学へ搬送し、遺体不在の状態で葬儀を行うか、遺骨が返ってきてから時点で葬儀を行う方法もあります。式場によっては遺体がない場合や骨葬だと貸し出してくれないこともあるため注意しましょう。

献体を決める際に気をつけたいこと

「葬儀費用がかからない」「お墓が必要ない」などの認識で献体を希望する方もいらっしゃるようですが安易に献体を決めてしまうのはおすすめできません。

献体に提供した後は、いつ火葬されるのか、遺骨として戻ってくるかなど、家族は一切わかりません。

葬儀やお墓はグリーフケアの1つとして捉えられており、残された人が大切な人が亡くなったことを受け入れていくための精神的な作用があるといいます。

十分な心の整理もできないままに献体になってしまうと、本人の意思と分かっていても後悔や、大きな悲しみを抱えることもあります。

家族はじめ大切な方と葬儀のこと、お墓のこと、その後の供養のことも話し合い、納得したうえで献体を選びたいですね。

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