枕直し

枕直しとは、亡くなった方を北枕で安置することを言います。

最近では病院で最期を迎えることが多いですが、病院から自宅や通夜を行う会場にご遺体を運び込んだ際に、個人の頭が北側に、足が南に向くように安置し寝かせます。

そして個人の枕元には香炉や燭台などを置く枕飾りを設置します。

このようにご遺体を寝かせることを枕直しと言います。

これは釈迦が煩悩から解き放たれ解脱した時に頭を北に、足を南に向けていたことから始まった風習と言われています。

故人があの世で少しでも高い位につけるよう、その処遇を優遇してもらえるようにという願いが込められているとも言われています。

故人の頭を北・足を南に向けた寝かせ方を北枕と言い、地方などによっては「北枕は使者の寝方だから縁起が悪い」などと言われたこともあるかと思いますが、最近では「北枕は頭寒足熱にかなっていて健康によい」という考え方もあるなど、価値観は多様化しています。

基本的に故人は北枕で寝かせるのですが、自宅で通夜・葬儀（告別式）を行う場合には部屋のレイアウトなどによっては北枕で安置するのが困難な場合もあります。

そのような場合には頭を西・足を東に向けて寝かせます。

お墓も西向きに建てると良いという説がありますが、それは極楽浄土が西方にあるという「西方浄土」の考えから来ています。