【FP監修】定年世代が知っておきたい保険とお金「定年後に必要な民間保険の選びかた」

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定年世代が気になる定年退職後の保険やお金、制度や手続きのこと。できるだけスムーズかつ効果的なやり方で進めたいけれど、わからないこといっぱいありますよね。

そこで今回は「退職後にも必要な保険は?不要な保険は?」など、定年退職前後(50代後半〜60代前半)の方が知っておきたい「民間保険の選び方」と「民間保険の傾向と今後」について、ファイナンシャルプランナー(FP)さんにわかりやすく一問一答で解説していただきました。

定年世代のお金QA 定年世代のお金QA

定年退職後に生命保険・医療保険は必要?不要?

【質問1】定年後に入っておいたほうが良い民間保険は?

例えばご夫婦の場合、どちらかが先立つと世帯年金額は減ってしまいます。

生命保険や団信(団体信用生命保険)などの保証があったとしても、人生100年時代の今、残された配偶者にとって死活問題となりますよね。

そこで今ある財産を年金に変えておくというのが有効な手段となります。

今ある財産を年金に変えられるのは保険しかありません。

例えば、短期払いの終身保険に加入し、終身年金を獲得するという選択肢を検討してみても良いでしょう。

[医療保険の場合]

60代になると加入できなくなる保険が出てきますので、検討はお早めに。 加入する場合は、保障内容は最低限で良いでしょう。

介護保険の場合]

周りの人が本人の長生きを応援できるようなお金の仕組みや形を残していくことが大切です。介護を受けることになったら、経済的にも精神的にも物理的にも家族に大きな負担をかけてしまうかもしれません。そうした“いざというとき”の備えとして、介護保険は老後・退職後に検討すべき保険の一つです。

[死亡保険の場合]

自分の葬儀費用程度は準備しておきましょう。

相続のこと>

原則、死亡保険で受け取った保険金には税金がかかります。ですが、もし保険金の受取人が相続人であった場合、死亡保険金が一定の上限額を超えなければ非課税となります。このような生命保険のメリットもしっかりと活用していきたいですね。

*非課税となる上限額の計算方法は、次のようになります。
500万円×相続人の数=死亡保険金に対する相続税が非課税となる上限額

例えば、相続人が3人の場合、その死亡保険金に対して相続税がかからない上限は、500万円×3人=合計1,500万円まで保険金を非課税で受け取ることができます。

【質問2】急増している70代80代で加入できる保険は実際どう?

「人生100年時代」到来を受けて、ニーズに応えるべく確かに増えてきましたね。

しかし、手元に現金がある人は、必要ないケースがほとんどです。

必要額以上の医療や死亡保障は要らないと考えてください。

70歳、80歳から保険に入ろうと思うと、保険料も高くなりがちになるため、貯蓄額とのバランスを考えることが大事です。

入院した際に医療費に回せるような預貯金を持っているのであれば、無理して医療保険に加入するよりも預貯金を計画的に運用するための保険商品や、相続対策となるような保険商品を考えた方がいい場合もあります。

また、退職金を計画的に活用することも重要です。

住宅ローンの繰上げ返済をしたり、ハイリスクな投資性の強い商品は避け、終身保険などで堅実に運用したりすることをオススメします。

定年世代のお金QA

最近の民間保険の流行、今後の傾向を教えて!

【質問3】窓口形式の店舗はどんな感じ?

最近、オフィス街の一角やショッピングセンターなどで、カウンター越しに様々な保険の紹介をしてくれる保険ショップが多くなりましたね。それら店舗のメリットデメリットについてお話しします。

保険ショップ窓口形式のメリット

① 複数社の商品から選べる
保険ショップは、複数の保険会社と代理店契約を結んでいて、複数の商品を取り扱っているため、その場で一度に見て選べるというのが最大の魅力です。

複数社の保険をファイナンシャルプランナーなど専門家のアドバイスを受けながら、検討することができます。出かけるのが面倒くさいと思っても、ひたすらネットで検索したりしながら検討するよりも、結果的には時間の節約になると思います。

また、保障内容はもちろん、保険料も選べるのは大きなメリットです。同等程度の保障内容なら、保険料は少しでも抑えたいですからね。

② 気軽に立ち寄れる
保険ショップは、年々増えていて、街のあちこちにありますよね。ショッピングモールなどの中にもあるので、買い物のついでに気軽に相談することもできます。

③ 相談料がかからない
多くの保険ショップは、相談料ではなく、商品を販売した時の手数料で利益を得ているので、相談料を無料にしているところがほとんどです。

また、相談したら契約をしなければならないようなこともありません。

保険ショップ窓口形式のデメリット

① 保険料が割高になるケースも
損害保険などの場合、代理店で契約すると保険料が割高になってしまう場合もあります。

インターネットを通じて保険会社と直接契約を結ぶダイレクト保険などと呼ばれるものもあります。人件費などコストが削減できた分を保険料に反映させることで割引を行っています。

② ベストな保険の判断が難しい

保険ショップにとってベストな保険と、自分にとってベストな保険、その判断が難しいと思います。

保険ショップは、相談料ではなく、保険会社から支払われる販売手数料で利益を得ていることが多いため、お店にとってベストな保険とは手数料の高い商品になります。

ですから、少しでも疑問を感じる場合はしっかりと断ることも大切です。

【質問4】自宅訪問型の保険会社の場合はどうでしょう?

訪問型には、複数社を扱う代理店と、保険会社の営業職員が自社の保険商品を販売する直販とがあります。

直販の場合は、先述の代理店ショップのように、色々な会社の商品を選ぶことはできず一社の商品の中から選びますが、担当者が自宅へ来てくれて要望を伺い、提案・申し込みの手続き・加入期間中のサポートから保険金のお届けまで一貫して行ってくれるという利点があります。

どんな人が来るのかとドキドキしたり、不安になったりする人もいるかもしれませんが、育児や介護で忙しい人や、仕事で日中は時間が取れない人にとっては、訪問型はとても便利ですよね。

また、自宅で相談や手続きができれば、印鑑や既に加入している保険証券などを持っていくのを忘れたなんてこともなくスムーズですね。

それぞれのメリット、好みにあった保険選びをしてみてください。

【質問5】3年後5年後の近い将来、保険はどうなる?傾向は?

医療保険の形は常に変化しています。

医療技術の進歩、先進医療の中身や公的医療保険の適用範囲も変わっているように、保険で想定している保障にそぐわなくなったり、どんどん新しい医療保険が登場してきたりすることはこれからも予想されます。

以前よりもがんが発見されやすくなったこともあり、がん保険の形も変わってくる可能性があります。

また、保険の契約者同士がリスクをシェアして助け合う「P2P保険」や、高齢化社会のニーズから生まれた「認知症保険」などは、時代に見合った保険の代表例ですよね。

よくよく吟味し、慎重に自分に合った保険を選んでいきましょう。

専門家監修者長谷部さん
監修者:長谷部 真奈見(はせべ まなみ)

株式会社 FinCube 代表取締役
ファイナンシャルプランナー
株式会社 Studio7 代表取締役
フリーアナウンサー
株式会社 FinCube
https://fincube.co.jp/

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