納骨堂のLINE見学予約受付中!動画解説付き【東京都港区の納骨堂/青山霊廟】
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50代・60代の定年世代は、早期退職や定年退職などの働き方の変化、お子さんの巣立ち、親の介護、ライフイベントなど、これまでの生活環境が変わる節目が多い時期になります。
人生のターニングポイントを迎えた定年世代の方々は、お金の使い方についてどんなことを考えているのでしょう? また、どんな家計のやりくりをしているのでしょう?
そこで、定年世代のご家庭の家計簿を見せていただき、ファイナンシャルプランナーのプロの目でチェック。家計簿の改善点をわかりやすく解説していただくとともに、今後の生活やお金に関するアドバイスも伺いました。
57歳で役職定年、60歳から勤務延長制で正社員として会社に残ったが、給料が大きく下がりました。先月、妻が体調を崩して長く務めたパートを退職。住宅ローン、娘の学費など、足りない分は貯金を切り崩しています。
今後、息子の結婚も控えており、妻の通院費もかかりそう。両親も今は健在だが、遠方で高齢なのでとても不安です。自動車がないと不便な場所なので手放せない。趣味の家庭菜園を貸し農園で行なっており、維持費はかかるけれど定年後のために続けたい。住宅ローンもこのままでいいのか悩んでいます。
Mさんの家計簿の穴は…ズバリ!
「心配事が重なって見通しを立てられない」です。
東京都世田谷区にお住いのTさん
<ご主人 61歳>
・食品メーカー勤務
・60歳から勤務延長制度
・正社員のまま
・最終役職は営業部部長
<奥さま 60歳>
・長年パートをしていた
・体調を崩して退職(先月)
・先月より専業主婦として家にいる
<家庭の状況>
・結婚32年目
・一戸建て(ローン残あり)
・子ども長男26歳(独立)/長女21歳(大学3年)
・年収 約550万
・貯蓄は約1200万円
・退職金は経済情勢により減額の可能性
・自家用車あり
東京都世田谷区在住。最寄り駅までバス10分の住宅地にお住い。同居はご夫婦と娘さん。
長男は就職して一人暮らし独身だが、結婚を前提に付き合っている人がいる。
住宅ローンが残り4年(月8万円)。勤務延長制度で引き続き正社員として働くが、給料が約4割減となった。
妻も先月までパート扶養内(月10万円)で働いていたが体調を崩して退職。趣味は家庭菜園とスポーツ観戦。
<ご主人の給料の変化>
勤務延長後は、定年時の約6割になっている。
【現役時代】 ⇛【勤務延長後】
年収 約900万 ⇛ 年収 約550万
手取 約600万 ⇛ 手取 約420万
※先月まで奥さまの給料約10万円があり、ギリギリ赤字ではなかった。
※一年前までは夫婦合計の手取り額は約60万円だった。
※住宅ローンはあと4年弱、残り約350万円。
※娘さんの学費は貯金から(年間約84万円・月約7万円試算)
※光熱費は一年を通した平均値です。
※保険の内訳[概算]:ご主人が生命保険14,000円(終身)・医療保険5,000円/奥さまが医療保険4,000円
※食材の買い物は車でスーパーへ。3日に1回ほど(1回の買い物に約5,000円)
※自動車費はガソリン代・洗車メンテナンス代。
※自動車税等の税金も貯金から支出
収入―支出=350,000円―399,900円=▲49,900円
「毎月49,400円の赤字」を貯蓄から補填している。
毎月の赤字も問題ですが、仕事のこと、給料のこと、今後のこと。さらに、奥さんの健康面、息子さんの将来についてなど、生活や家族についての「心配事」が積み重なっていますよね。
それがより一層大きな「不安」となって、先行きを見えづらくしているように感じます。まずは、家計を見直すと同時に「不安」の重なりをひとつひとつ紐解き、解決策を考えてみてはいかがでしょう。
家計を見直すことは、今後の生活を見直すことと同じ意味を持っています。支出は生活に直結しますからね。何に困っているのか、どんなことを心配しているのか、自分の気持ちに問いかけてみましょう。
自分の気持ちを把握するためには、今後のライフイベントを整理することが大切です。
Mさんの場合は、娘さんのご卒業、息子さんのご結婚、奥様の病気治療・通院、離れて暮らすご両親の介護…などが今後に起こりうるライフイベントですよね。それらを箇条書きにしてみてください。
そのライフイベントはおおよそ何年後なのか、その時いくら必要なのか、などを時間軸に乗せて考えてみましょう。すると先行きの見通しがつき、解決への道筋も見えやすくなります。
ご両親が健在のうちに、子どもさんと親密に会話ができるうちに、みんなで話し合って今後の計画を立てましょう。
住宅ローンは残り4年・月8万円となると、残額は350万円ぐらいです。これを一括繰上げ返済すると、約29万円の得をする計算になります。
しかし、Tさんは現金が減っていくことに不安を抱えているのですから、今回は一括返済をあまりオススメできません。
おそらく旧住宅金融公庫でローンを組まれたと思いますし、残額と年数を考えると、借り換えのメリットもないため、今のままで返済していく方が良いでしょう。
実際の家計部分ですが、毎月50,000円の赤字は大きいですね。
前回の相談でもお伝えしましたが、まずはストレスのない項目から見てみましょう。ノンストレス項目の上位は①住居費②保険関係③携帯代になりますが、Tさんの場合①は現状維持なので②③をチェックします。
お子さんも成長し、大きな終身保険は必要ないと思いますので、解約せずに保険料の支払いをストップする保険の払い済みを検討してみてください。これで約14,000円の削減です。
次に携帯代ですが、こだわりがなければ格安スマホへの切り替えを検討しましょう。格安スマホ1台で約3,000円となり、約6,000円の削減。この2項目で約20,000円削減になりました。
残り30,000円はストレスのかかる項目チェックになります。まずは食費・外食費の合計80,000円から10,000円ほど削減してみましょう。さらに、ご夫婦2人のお小遣い・趣味レジャー費の合計10万円も気になります。趣味の家庭菜園を優先しつつ、頑張って20,000円削減を目指します。
これで一応は合計50,000円の削減になりました。しかし年金収入になれば、今より大幅にマイナスになってしまいます。現役時代のままのお金の使い方を、生活や環境に合わせて段階的に見直していくことが必要だと思います。
家計のムダな出費を抑えるには、現状の手持ち資産を「シンプルに見える化」することが大切です。
たとえば、預貯金はいくらあるのか、取引先の銀行は何行あるのか、通帳は何冊なのか。給料口座とローンの引き落とし口座の銀行が違う場合や、転職や引越し毎に新しい銀行口座が増えていることも多く、お金の流れをしっかり把握していない人が本当に多いのです。
Tさんも資産管理を明確にすれば、手持ちの貯蓄で投資することも可能なのです。投資信託などを少額で分散投資をして、資産を増やすことも考えてみてはいかがでしょう。
また今後の相続のことも考えると、自宅の資産価値も知っておきたいですね。その場合、一括まとめサイトで調べるよりも、不動産業者さんに直接聞いてみることをオススメします。わからない場合は私たちFPにも気軽に聞いてくださいね。
相談業務を中心に活動している「実務家ファイナンシャルプランナー」。FPとして年間の新規面談件数は約120組、累計相談件数は1400件以上。個人から企業まで、相談者それぞれに応じたマネープランの作成、マネープランに基づいた資産形成アドバイスを行う。
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