定年世代が知りたい、貯蓄・投資・終活「老後のお金」~ファイナンシャルプランナーさんに聞きました~(後編)

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定年後のお金について専門家に聞きました

「楽しかった」と言える人生が、その人にとって最良の「終活」

お金は使ってこそ意味があるという言葉、いいですね

だからこそ、幸せな人生を送るためには「お金の使い方を知ること」が一番大切だと思います。

老後だけ急にハッピーになろうとしても無理がありますし、現実的ではありません。お金の使い方も含めて、現役世代のうちに人生の楽しみ方を学ぶことが重要だと考えます。

「あー楽しかった」と言える悔いのない人生が、その人にとって一番よいエンディング「終活」なのだと思いますよ。

悔いのない人生が一番の終活というのは納得です!

気のおけない家族や仲間とともに「いろいろやってきたし悔いはないわ」と言えることが「終活」の成功だと思う。

そして、それを叶えるための計画、延長線上にマネープランがある。「お金の運用」も悔いのない人生を送るための手段なんですよね。

みんな、まず運用ありきで無理やり将来を決めようしているから、難しいんじゃないかな。逆の順番で進めようとしているから、面倒だし大変なのだと思いますよ。

「どんな定年後を送りたいか」決めていないのに、老後のお金の使い道は考えられないということですね

定年退職まで何も準備してこなかったのに「このお金をどうしよう」と急に動き出しても、運動してなかったのに急にマラソンを走り出したようなものですよ。

収入がある現役の時や、失敗しても取り返しがつくうちに、運用も含めてお金の使い方をあえて考えて、実際にやってみる。大丈夫な範囲で手を出してみることもオススメです。

日本人特有ですが、定年するまで耐え忍ぶ働き方を貫き、定年後から第二の人生を謳歌するという美学…今の時代には不適だと思います。

「人生 100 年を見据えた報告書」を見てもガラリと方向転換していましたね

そうです。これまでの人生は、現役世代と定年後(余生)、60歳で現役と定年後を分けた人生2ステージで考えられていましたが、今後は現役世代・定年世代・高齢期の3ステージで考えていくと、金融庁が大々的に発表しましたね。

人生 100 年、単純に 50 歳が人生の折り返しになります。つまり50代・60代の定年世代の過ごし方が、今後の生活を大きく左右することになるんです。

長生きが当たり前の時代に向けて、自分が想像できていない「リスク」に備えることが最も重要になります。保険や住まいなどは、その「リスク」を考えて選ばないといけないですね。

人と比較せず「自分の環境と価値観」で考えるのがポイント

では、定年退職後のお金について、はじめに何から考えたらいいでしょう?

まずは、定年退職・リタイア後の生活スタイルを思い描いてください。それから、ザックリでいいので支出(出ていくお金)を考えてみましょう。

つまり、リタイア後にお金がどれだけ必要なのか、あとどれくらい足りないのか?ということを収入と支出で計算します。

他の人の生活じゃなく、自分の生活環境と価値観に当てはめるのがポイントです。

同じように生活していても、都会なのか地方なのか、家族構成、嗜好スタイルなど、みんなそれぞれ大きく違いますからね。

支出は人それぞれ一律にはいえませんよね

一ヶ月に 100 万円必要な人もいれば、地域や家族構成によって 20 万円も必要ない人もいます。

ですから、支出を調べることから始めてほしいですね。支出を計算し、入ってくるお金と貯蓄から引くだけで、どうすればいいかわかってくるのです。

支出もわからないのに、なぜ貯蓄や運用ありきでスǿートするのか。躍起になって倹約して蓄えようとするのか。

とにかく、将来の支出を想像し、理解することからスタートしましょう。

定年後のお金について専門家に聞きました3 定年後に必要な支出の内訳を具体的に教えてください

人それぞれ違いますので一般的なものでいえば、まずは住居・光熱・食費などの生活費、自動車費、医療費などの絶対に必要になる経費。

それから、子どもの結婚や出産などイベント補助費、介護費、趣味や遊びの遊興費などのプラスαな経費。これは自分の希望を入れて想像しながら、ザックリと計算してみてください。

すると不思議なことに、「退職金っていくらなのかな?」「家は売れるかな?」など、その他の資産や将来についてドンドン知りたくなってくるんですよ。

なるほど、支出から自分の環境が見えてくるんですね

お金に縛られない生活、お金に振り回されない生活をしたいのであれば、逆に自分のことやお金のことをよく知ることです。

給料明細の見方すらわからない人が多いと聞きますが、これからの時代はそれではダメです。

自分のことをわかった上で、リスクへの対応などの手段を知っておくことも大切。どうすればよいか予備知識があるだけで、今後の人生に雲底の差が出ますよ。

老後に必要なお金のことを考えるのではなく、あえて発想の転換をして「老後に遊ぶお金をどれだけ作れるか考える」という思考に切り替えてみましょう。

「老後資金」という使い道のわからないお金よりスキルアップを!

確かに、遊ぶお金を試算するという方が楽しいです

定年後に遊ぶお金がどれくらいあるか確認する。もしあまり余裕がなければ、それを作るための計画を立てる。その流れが一番自然だと思いますよ。

すると自然に自助努力をしたいと思えるはずです。現時点の日本で、自助努力なしに老後を豊かにすることは難しいですからね。

定年後のお金について考えるための自助努力のコツなどありますか?

私がお伝えしている6つのステップです。

下記の①から⑥を順番にクリアしていくことが、自己実現につなげるお金をつくる正しい方法だと思います。

  • (1)まずは収入を増やす(努力をする)
  • (2)定年後も働き続ける環境をつくる(考える)
  • (3)支出と固定費を見直して減らす
  • (4)ローンをできる限り返済する
  • (5)わかっていることに対して貯蓄計画を立てる
  • (6)資産運用をする

一見すると当たり前のことだと思われますが、現実はみんな逆の(6)からスタートしてしまいがちです。

自分の現状を何も理解していないうちから資産運用をはじめてしまうという、恐ろしいお話ですね・・・。

「(1)まずは収入を増やす」と「(2)定年後も働き続ける環境をつくる」は定年前でないと難しいですね

だから現役である50代でスタートしなければいけないんです。

50代は子育てしていた人もひと段落、仕事上の立場も確立されているし、自分がもらえる年金の額や貯蓄などもなんとなくわかってくる。近い将来を見据えることができるので、その後の人生の計画を立てるとてもいい時期だと思います。

人生100年なのですから、ここから新しいステージが始まるという考えを持った方が絶対幸せになれます。

本当に人生100年だとしたら50歳からでもあと50年もある…

長いですよ、50年。リタイアよりも健康年齢を伸ばすことを考えたり、働くことを生きがいにしていくほうが良いと思いませんか?

老後のお金をためることに執着するよりも、人生の生きがいをみつけ、長く続けられる仕事を作る方がよほど自然な流れだと思います。

趣味の延長線上のことが仕事になったりするなんて素敵ですよね。
定年後のお金について専門家に聞きました4
「老後資金」という名の使い道のわからないお金をアクセク溜め込むよりも、自分のスキルをあげることの方がよほど大切なことだと思いますよ。

とはいえ、お金のことを誰かに教えてもらいたいです

やはりプロのアドバイスは聞いて損はないと思います。勉強や相談のためにセミナーや講演会などに行かれるのもオススメです。

ですが、1つだけ大切なこと。

セミナーなどに参加する際、必ず「目的」「目標」を持って行ってください。どんな小さなことでも構いませんから、何を得たいのか明確にしてください。

なんとなくマネーセミナーへ行くほど無意味なことはありません。行くこと自体が目的ならば、本やネットを見ている方がよほど為になりますよ。

相手の知識やスキルを学んで持ち帰る気持ちで参加してくださいね。

無料セミナーなど、参加したことで満足してしまいがちかもしれません

お金のことだと思うから変な感じになるのですが、これを例えば美容師さんに置き換えて考えてみてください。

髪を切るには、ヘアサロンへ行ってプロの美容師さんにお金を払ってお願いしますよね。よくわからない行き当たりばったりの人にタダで切ってもらうなんて、絶対しないと思います。

お金も同じことで、全く関係ないルートからの無料マネーセミナーとか、どんな魂胆があるか想像しただけで怖い。メールマガジンやブログだって同じことだと思います。

上質なものを選ぶ為には、自分で動き、しっかり見て選ぶ。

これからは「儲けるための投資」から「自分の身を守るための投資」の時代なのです。お金にまつわる勉強は、自分の人生への投資になると思いますよ。

( 取材・文章:ライター 田鍋利恵 )

この記事の取材協力先

株式会社 FinCube(フィンキューブ)

https://fincube.co.jp/

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