【FP監修 60歳からの家計簿診断】定年後の年金生活!家計の赤字改善、貯蓄をするには?

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計算機と家

50代・60代の定年世代は、早期退職定年退職などの働き方の変化、お子さんの巣立ち、親の介護、ライフイベントなど、これまでの生活環境が変わる節目が多い時期になります。

人生のターニングポイントを迎えた定年世代の方々は、お金の使い方についてどんなことを考えているのでしょう? また、どんな家計のやりくりをしているのでしょう?

そこで、定年世代のご家庭の家計簿を見せていただき、ファイナンシャルプランナーのプロの目でチェック。家計簿の改善点をわかりやすく解説していただくとともに、今後の生活やお金に関するアドバイスも伺いました。

<ご相談内容>定年退職後の年金生活。家計の赤字をなくして貯蓄するためには何を見直せばいい?

相談者プロフィール

お悩み・ご相談

60歳と65歳の夫婦。毎月の不足分を貯金や年金を切り崩しているため、将来が不安。無駄なものを省いて少しでも貯蓄に回したい。来年築30年を迎えるため、リフォームやリノベーションをしたいが貯金が減るので躊躇しています。また、犬プードルのお世話に1ヶ月1万円ぐらいかかるのは削りたくない。これから孫に色々してやりたいので小学校に上がる前になんとか家計を見直したいと思っています。

 

ファイナンシャルプランナーのアドバイス


Mさんの家計簿の穴は…ズバリ!「今後の人生を整理整頓できていない」です。

アドバイスの詳細は【アドバイス1】支出すべてに「優先順位」をつけよう!にて!

 

ご相談者さまプロフィール

東京都杉並区にお住いのMさん

<ご主人 65歳>
・元中小企業メーカー勤務
・60歳から再雇用で65歳まで勤務
・昨年末に65歳で退職したばかり
・最終役職は営業部部長

<奥さま 60歳>
・結婚後からずっと専業主婦

<家庭の状況>
・結婚35年目のご夫婦
・一戸建て(ローンは終了)
・子ども30歳・27歳/2人ともに独立
・未就学児の孫2人(5歳2歳)
退職金1800万円
・貯蓄は退職金含めて現在約2200万円
・犬トイプードルを飼っている
・自家用車なし


東京都在住のご夫婦。昨年末に定年退職後、夫婦2人で年金生活。働きに出たいと思っているが今は決めていない。子供さんはそれぞれ独立結婚されている。30歳の長男に孫が2人いる。住まいは杉並区内の一軒家で、ローンは終わっているため、固定資産税のみ。外食月2回。保険はふたりとも死亡保険と健康保険に加入している。スマホユーザー。趣味は犬と遊ぶ、美味しいものを食べること。

 

Mさんの1ヶ月の家計簿

収入 (円)
夫婦の年金 220,000
収入の合計 220,000

支出 税込(円) 税抜(円)
食費 55,000 50,000
外食費 11,000 10,000
住居費 13,200 12,000
水道代 4,950 4,500
電気代 6,600 6,000
ガス代 8,250 7,500
新聞代 3,850 3,500
電話・通信費 15,400 14,000
交通費 6,600 6,000
保険費 22,000
医療費 5,500
趣味・レジャー費 15,000
交際費 20,000
飼い犬のお世話代 11,000 10,000
ご主人のお小遣い 6,000
奥さまのお小遣い 4,000
日用雑貨費 6,600 6,000
その他 11,250
支出の合計 226,220

※その他は孫へのプレゼント、洋服費、美容代。美容院は2ヶ月に1回程度。
※お小遣いは書籍代や趣味代
※光熱費は一年を通した平均値です
※保険の内訳:ご主人が生命保険10,000円(終身)・医療保険5,000円/奥さまが生命保険3,000円(終身)・医療保険4,000円:概算
※飼い犬のお世話はエサ代・美容トリミング代も含む
※食材の買い物は週4回近所のスーパーに行く (1回の買い物に約4,000円)
仕事が見つかれば働きに出たいと思っている

収入―支出=220,000円―226,200円=▲6,200円
「毎月6,200円の赤字」を貯蓄から補填している。

支出すべてに「優先順位」をつけよう!

家計簿全体の必要経費を見る限り、散財もしておらず倹約ともいえるMさん。
家計的に問題はないのですが、強いて言えば、今の生活や今後の人生について整理整頓できていないのでは?と考察できます。

定年退職を迎えて年金生活になったのですから、これまで同様のお金の使い方では当然足りなくなってしまいます。収入があり、余裕のある生活ならば問題ありませんが、毎月赤字を出してしまうのであれば、優先順位を見極めることが大切でしょう。

これからの人生を見据え、やりたいことをキチンと明確にすると、それだけでお金の整理整頓が楽チンになります。「今後の人生で何を大切にするのか」「どんなことにお金を使いたいのか」など、ご自身の希望を整理整頓するところからはじめてみてください。

まずはストレスのない所からチェックしてみて!

家計を見直す時にオススメしたいのは「人生を楽しむ」という観点で考えることです。その法則で進めるならば、食費や交際費、趣味やレジャー費などの「楽しみたいこと」の項目のチェックは後回しです。

家計を見直す時、真っ先に食費を削ろうとする方がいらっしゃいますが、散財していなければ、とりあえずキープで大丈夫。まずはストレスのない項目から見直しをはじめましょう。

ストレスなく家計を削減する項目は、住居費、通信費、保険費の順になります。Mさんの場合は、住居費を削れないため、通信費と保険費を見直してみましょう。

現在、通信費は14,000円となっているため、おそらく2台のスマホをお持ちだと思います。もしプロバイダーや機能などにこだわりがなければ、格安スマホへの切り替えを検討しましょう。これを格安スマホに変更すると2台で約8,000円となり、約6,000円の削減につながります。

長く加入している民間保険は思わぬお金になるかも?

次に保険です。住宅ローンもなく、お子さんも独立されておりご夫婦だけの生活であれば、生命保険は最小限に見直すことをお勧めします。どういったタイプなのか、これから必要なのかなど迷われる場合は、プロに相談してみてください。

また、生命保険が積み立て型で、若い頃からかけ続けているのであれば要チェックです。例えば、保険料10,000円を35年間、単純計算で420万円も払い込みしています。

保険に入った当時は、おそらく今より金利の高い時代だったと思いますので、大きな金額になっていることも十分ありえますよ。ちなみに1980年代後半〜1990年頃の最高金利は5.5%の予定利率だったそうです。思わぬ「お宝保険」の場合もありますので、ぜひ調べてみてください。

まだお若いので、働くことを視野に計画を!

ご主人は65歳、奥様も60歳。健康状態に支障がないようでしたら、まだまだお若い年齢です。フルタイムでなくとも、十分に働くことができると思います。

可能であれば、レジャー費15,000円とお小遣い分10,000円ぐらいは、働いて捻出できたらいいですよね。1ヶ月に25,000円〜50,000円ほどの収入ならば、アルバイトやパートでも気軽に始められると思います。

また「リフォームしたいけれど貯金は減らしたくない」とお考えでしたら、最近注目を浴びている「リバースモーゲージ」という手段もあります。「リバースモーゲージ」とは、自宅を担保にして銀行などの金融機関から借り入れをし、借主が死亡した時に不動産を処分して返済するという融資制度です。

場合によってメリットデメリットがありますので一概には言えませんが、自宅に住み続けながら資金を借り入れできます。手元のお金を減らすことなくリフォームできるかもしれないので、検討の一つに加えてもよいでしょう。



お答えいただいた専門家

丸尾 健(まるお けん)さん

ファイナンシャルプランナーの丸尾健さん

  • ファイナンシャルプランナー
  • 株式会社N&Bファイナンシャル・コンサルティング 代表取締役
  • 会社HPへ

相談業務を中心に活動している「実務家ファイナンシャルプランナー」。FPとして年間の新規面談件数は約120組、累計相談件数は1400件以上。個人から企業まで、相談者それぞれに応じたマネープランの作成、マネープランに基づいた資産形成アドバイスを行う。

(取材・文章:ライター たなべりえ)

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