定年前に考える「失敗しないリフォーム」~築35年の一戸建て編~

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定年退職を迎えるにあたり、長く住んできた自宅のリフォームや建て替えについて考えている方は多いと思います。定年世代でなくとも、子育てがひと段落した40代〜50代の方々も、多かれ少なかれ関心を持たれていることでしょう。

しかし、いざ「リフォームしたい!」「リフォームのことを聞きたい」と思っても、まず何をすれば良いのか、どこに相談したら良いのかと悩んでしまいます。

そんな悩みを抱える方には、リフォーム・建て替えを熟知した信頼できる建築家さんに相談することをご提案します。

定年後築35年一軒家のリフォーム間取り図ビフォアー

定年を目前にして一念発起、築35年の一戸建てのリフォーム

建築家さんにお願いするなんてお金がかかりそうだし、敷居も高そう…と思ってしまいます。

しかし実際は、設計や建築のことだけでなく、具体的な提案からサポート、各所への代理人となってフォローやバックアップもしてくれる等、迷える私たちの心強い存在なのです。



そこで、建築家さんが実際に手がけた「築35年の一戸建て」のリフォームをビフォーアフターの説明を交えてご紹介します。どこをどんな風に変更したのか、どんな要望を伝えれば良いのかなど、ぜひ参考にしてくださいね。

定年後築35年一軒家のリフォーム

定年後もずっと、夫婦二人で快適に暮らせる家にしたい

リフォーム ビフォーアフター vol.1
築35年:一戸建て住宅
板橋区 Iさま宅

Iさまプロフィール

  • 定年退職を目前に控えたご主人(60代)
  • 専業主婦の奥様(50代後半)
  • 二人暮らし お子さんは成人して独立
  • 予算 約1,200万円

リフォーム前《 ビフォー間取り 》

定年後築35年一軒家のリフォーム間取り図ビフォアー2

リフォームのきっかけ

古い間取りと造りなので、使い勝手が悪かった。何年も我慢していた奥様への感謝の気持ちでご主人が決断。

寒くて使いづらいキッチン・水廻りをなんとかしたい

具体的なご要望

  • (1)使い勝手の悪い台所を機能的にしたい
  • (2)勝手口や掃き出し窓からの風が冷たく、台所が寒いので変更したい
  • (3)水廻りを使いやすく、位置を変えてほしい
  • (4)洗面所まわりを広く、脱衣スペースを大きくしたい
  • (5)トイレが暗いため、明るくしたい
  • (6)開き戸(ドア)が多すぎるので整理したい
  • (7)収納がたくさん欲しい
  • (8)リビングダイニングにソファーとテレビをおきたい
  • (9)床暖房をつけたい
  • (10)キッチン横の中途半端なダイニングスペースをなんとかしたい
  • (11)キッチンとリビングを仕切らずオープンにしたい
  • (12)和室も使いやすくし、仏壇を入れたい
  • (13)部屋と部屋の段差をなくしたい

金子さん「とにかく奥様が使いやすいように、奥様のご要望を第一にというのがご主人様のご要望でした。まず、現時点の不満点をしっかり伺い、それからキッチンやリビング、収納などの細かなご希望をヒアリング。ご夫婦それぞれの思いも伺いながら丁寧にすすめていきました」

ご主人から奥様へ、これまでの感謝が詰まったリフォーム!

定年後築35年一軒家のリフォーム間取り図アフター

かかった費用

約1,200万円

施工期間

約2ヶ月半(外壁補修・屋根の葺き替え・耐震補強も含む)

建築家 金子智子さん(以下:金子さん)「一番のポイントは、勝手口と掃き出し窓をなくしてキッチンを使いやすくしたことです。勝手口付近には食品庫を作り、奥様が買い物から帰ってきたら玄関からまっすぐ行けるようにしました。キッチンから洗面所へまっすぐ行けるようになり、家事全般の動線が快適になったと思います。その他も、不要で多すぎたトビラをなくし、収納をたっぷり作りました。また、今回記載していませんが、外壁補修や耐震補強なども合わせて行いましたので、より安心できる家になっていると思います」

使い勝手の悪かったキッチンが見違えるほど素敵になり、主婦の憧れでもある食品庫やお洒落なキッチンカウンターなど、毎日の家事が楽しくなる場所に生まれ変わっています。お二人がゆっくりくつろげるスペースもできて、これからの生活がとても楽しみになりそうです。

定年後築35年一軒家のリフォーム2

規格通りのリフォームじゃない、希望が通るリフォームを!

ご主人と奥様それぞれの希望をしっかりヒアリングし、たっぷり時間をかけて何度も話し合いを重ねて作り上げたため、お二人とも大満足だったそうです。予算を考慮しつつ、希望の間取りやリフォームを提案できるのは、設計や建築のスペシャリストである建築家さんだからこそ。

お部屋のリフォームと合わせて行った外壁補修や耐震補強、屋根の葺き替えなども、建築家さんが一緒に考えてくださり、業者さんにアレコレ掛け合ってくださったそうです。

これからリフォームや建て替えを考えている方は、「これからどのように生活していきたいか」を考えで話しあってみるとろこから始めてみてください。

そして、その希望や想いをしっかり聞いて受け止め、ちゃんと形にしてくれる建築家さんに一度相談してみてはいかがでしょう。

プロフィール

お話を聞いた専門家

金子 智子(かねこ さとこ)さん

金子智子プロフィール

  • 金子智子建築設計室
  • 一級建築士事務所【東京都知事登録第49636号】
  • 東京都木造住宅耐震診断事務所【登録番号443号】

武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。東京芸術大学美術研究科修士課程修了。建築家、東京都木造住宅耐震技術者、既存住宅状況調査技術者。株式会社近代建築研究所、株式会社早川邦彦建築研究室を経て独立。新築・増築・リノベーション、木造から鉄骨造、RC造など幅広い経験を持ち、戸建住宅、集合住宅、店舗、事務所などジャンルを問わず相談を受け付けている。

( 間取りイラスト: ゆみ・こけもも / 文:ライター 田鍋利恵 )

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