定年世代が知りたい建て替え・リフォームのこと 建築家さんに聞きました(前編)

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定年後のリフォーム・建て替え

50代後半から60代という定年世代の時期には、子どもが結婚や就職などで家を離れたり、高齢の親と同居することになったりなど、これまでの家族構成が変化したというご家庭も多いと思います。

そんな環境の変化や定年後の生活を見据えていく中で、長年住み慣れた自宅の建て替え・リフォームについて考え始めた人も少なくないでしょう。

ですが実際には「まず何をすれば良いのか」「誰に相談したら良いのか」と悩んでいる方も多いはずです。

そこで今回は、定年世代の建て替えやリフォームを手がけた経験を持つ建築家の金子智子さんに、建築家のお仕事内容を詳しく教えていただきながら「建て替え&リフォームを上手にスタートするコツ」という視点でお話を伺いました。

プロフィール

お話を聞いた専門家

金子 智子(かねこ さとこ)さん

金子智子プロフィール

  • 金子智子建築設計室
  • 一級建築士事務所【東京都知事登録第49636号】
  • 東京都木造住宅耐震診断事務所【登録番号443号】

武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。東京芸術大学美術研究科修士課程修了。建築家、東京都木造住宅耐震技術者、既存住宅状況調査技術者。株式会社近代建築研究所、株式会社早川邦彦建築研究室を経て独立。新築・増築・リノベーション、木造から鉄骨造、RC造など幅広い経験を持ち、戸建住宅、集合住宅、店舗、事務所などジャンルを問わず相談を受け付けている。

変化やニーズに対応できる建築士でありたい

―― まずは金子さんの現在のお仕事についてお聞かせください

独立開業して今年で15年目になります。ちょうど独立時に娘の出産が重なったこともあり、周りに子育て世代の知り合いが増えました。その中で新しく家を持ちたいという人がいたこともあり、自然な流れで木造の住宅建築のお仕事が増え、現在に至るという感じです。

独立するまでは、鉄骨6階建のマンション、RC造(鉄筋コンクリート)住宅、都立高校など、どちらかといえば大規模な建物を手掛けることが多く、それにともない様々な経験を積ませてもらいました。
完成まで4年もかかった大きなプロジェクトなど、建築のいろはを広く学ぶことができたことも独立への後押しや自信にもなっていると思います。

―― 口コミやつながりから仕事が広がったのですね

ご紹介や知り合いのつながりなどでお仕事をいただくことが多く、とても有り難いなと思っています。数年前からは定年世代からのリフォームのご依頼も増えてきました。

また、娘も中学生になり、子育ても一段落してきました。最近では、大学の先輩と事務所の後輩の三人でチームをつくり、プロジェクト的なお仕事もスタートさせています。

今までできなかったことや、やりたかったことにもチャレンジしたいなと、いろいろ動き出したところなんです。

定年世代が知りたい、建て替え・リフォームのこと2

―― 具体的に、何か新しく始めたことなどありますか?

建築業界だけでなく、もっと広く色々なつながりを増やしていきたいと考えています。そのスタートとして異業種の交流会や、これまで出向いたことのなかった場所へ積極的に足を運んでいるんです。

培ってきたキャリアを小さな枠に閉じ込めず、横のつながりを広げることでプラスアルファの何かが生まれてくれたら素敵だなと思っています。

時代とともに生活様式や家族の形も刻々と変化しています。そんな変化やニーズにしっかり対応できる建築士になりたいので、常に情報収拾は欠かさず新しいことに前向きでありたいです。 定年世代が知りたい、建て替え・リフォームのこと3

むしろ一番はじめに建築士に相談してほしい

―― では、定年世代からはどんなご依頼が多いでしょう?

軒家の場合は耐震やメンテナンスを含めた、住みやすさ向上へのご要望が多いですね。定年世代ともなると長年住み続けてきているため、実際に耐震基準を満たしていない家が多くありますから。

マンションの場合では、古くなった水廻りや間取りの変更などのリフォームのご相談が多いです。お子さんが巣立って夫婦二人になったため、自分たちのスタイルに合わせた間取りにしたいとか、今の生活に見合った様式や快適な空間にしたいなどの相談を受けることが多いと思います。

―― 直接、建築家さんに相談してもよいのでしょうか?

私たち建築士にダイレクトに聞いてもらえると、具体的な提案やアドバイスをすることができますし、スタート時点から一緒に作り上げることができるので、むしろ相談に来ていただきたいんです。

大抵の方は、大手のハウスメーカーさん等に相談に行かれると思います。そこでは、メーカーで扱っている建材や塗装、外壁などを見ることができますし、すぐにプランニングを提案してくれます。

その場合、事前に自分の要望や予算を明確にしておくことがとても重要になります。メーカーで扱われている建材は限られていたり、規格が決まっていることも多いため、あいまいな要望や知識がないままで話を聞くと、希望とは異なった方向になってしまうこともありますからね。

―― 確かに、不勉強だと言われるがままになってしまいそうです

よく聞く話では、家の簡単な図面と大まかな仕様を決めただけで契約してしまい、実際の完成図や模型を見ていないため、思っていたものと全く違う家になってしまったとか。

あるいは、簡単な図面で見積もりして契約時には2,000万円だったのに、いざ建てはじめるとアレやコレや追加料金がかかり、結局は1.5倍近く払うことになったなど…。

わからないままで進めると、希望どおりにならないだけでなく、自分のかけたいところにお金をかけられなくなってしまうかもしれないので気をつけてくださいね。

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