どうしてお盆に盆踊りをするの?

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特集 夏のお盆

盆踊りは、地域発祥の有名なイベントであったり、夏祭りの恒例行事として日本に定着している文化ですね。

先祖供養お盆に関係があるのでしょうか。どうしてお盆に踊るのでしょうか。

先祖の霊を迎えるための盆踊り?

盆踊りとは、そもそもお盆に帰ってくる先祖の霊を迎えたときに、慰めて労るための踊りでした。

かつては初盆新盆の家々を回ったり、町内を踊り歩いたりしていました。それからお寺や人が集まる場でも踊られるように変わりました。

盆に踊るという行動のルーツは、踊り念仏だといわれています。はるか昔の平安時代に僧空也が踊り念仏を始めました。その後、鎌倉時代には一遍が引き継ぎ、念仏踊りとなって広まりました。

踊りながら太鼓や鉦(かね)を鳴らしながら念仏を唱え、一心に踊りに集中し、煩悩を捨てられると考えられていました。

民衆に広まった後には、伊勢音頭や河内音頭など地域の特徴が組み込まれた盆踊りが始まったようです。それぞれ地方の「音頭」の歴史をみていくと、地域の産業の特徴や供養への考え方など歴史を知ることができるでしょう。

おわら風の盆
写真:おわら風の盆(WikimediaCommons)

供養だけでない 豊作祈願の盆踊り?

盆踊りは、お盆に踊ることで帰ってきた先祖の霊を慰め供養するだけでなく、農作物の豊作を願うためでもあります。農業を主としてきた日本ならではの文化でしょう。

豊作祈願は、豊作を願うと同時に自然の恵に感謝する機会にもなります。日本の伝統行事では先祖供養と自然への感謝がつながっていることが多いですね。

お盆には、健康でいることを祝う「めでたい盆」という意味もあります。先祖を思い、今の自分を振り返って元気でいることに感謝するというのは自然なことといえるでしょう。

踊り念仏・全国の有名な盆踊り

踊り念仏は、長野県佐久市にある西方寺で鎌倉時代中期から700年以上伝わる踊り念仏が行われます。毎年4月の始めです。国無形民俗文化財に指定されています。

日本の有名な盆踊り

・西馬音内(にしもない)の盆踊(秋田県雄勝郡羽後町) ・郡上踊り(岐阜県郡上市) ・阿波踊り(徳島県徳島市) ・おわら風の盆 越中おわら節(富山県富山市八尾町) ・河内音頭(大阪府八尾市)
観光の目玉イベントとして行われる盆踊りや地域内で代々伝わる盆踊りなど日本には様々な盆踊りという文化があります。

今年の夏は、地元の盆踊りの由来や歴史などを調べてみてはいかがでしょうか。

参考

西方寺の念仏踊り(長野):佐久市役所 経済部 観光交流推進課 観光係
西馬音内の盆踊(秋田):羽後町観光物産協会
郡上踊り(岐阜):郡上八幡観光協会
阿波踊り(徳島):阿波踊り会館
越中おわら節(富山):おわら風の盆行事運営委員会
河内音頭(大阪):八尾河内音頭まつり振興会

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