精霊馬

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精霊馬の意味(精霊馬とは)

精霊馬とは、お盆のお供え物のひとつで、精霊棚に飾り付けます。

きゅうりとなすを用いて作る、馬や牛型の人形のことをいいます。割りばしや爪楊枝などを利用して、それぞれの野菜に足を刺して作ります。

それぞれの動物は、祖霊の乗る乗り物に見立てられています。

地方によって、16日の送り盆の際に、それまで飾っていた初物の供物を利用して作って、供物と一緒に川や海に流すところもありますが、関東地方では13日の迎え盆に作って、供物の一つとしています。

また、迎え盆に牛を作り、送り盆に馬を作るなど、地域ごとに作る順番もさまざまです。

馬は早く先祖の霊に帰ってきてほしい、牛はゆっくりあの世へ戻ってほしいとされているところもあれば、ゆっくり丁寧にお迎えしたいから牛で迎えて、急いで帰ってもらうために馬をお供えするという逆の地域もあります。

牛にはまた、たくさんの供物を乗せて持って帰ってもらうという意味もあるといいます。

精霊馬の例 Photo:WikimediaCommons

精霊馬の実際

旧暦の4月から6月は、前年の収穫の備蓄も底をつき、飢えをしのんでいた時期だという研究もあります。

お盆供物にならぶ初物の収穫物は、飢えの季節の終わりをお祝いする、大切な儀式でもあります。亡くなった人に対する、豊かな感情があらわれている、精霊馬のユーモラスな姿にも、豊かな実りへの感謝があらわれているようです。

精霊棚に並べられるなすやきゅうりを用いた精霊馬の習慣は、生きることの喜びやバイタリティが色鮮やかに飾られているとも言えるでしょう。

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