樹木葬・樹林墓地を巡る【1】 都立小平霊園

記事を保存しました


都立霊園初の樹木葬・樹林墓地が2012年に誕生。初年度申込み 16.3倍!

都内には8箇所の都立墓地がありますが、どこもほぼ満員の状態です。区画の募集があったとしても、利用されなくなり返還された墓地を、再募集するといった状態が続いています。しかし、新たに墓地を造成するには土地がない・・・。

この問題解決の切り札となるかもしれない形態の墓地が、多摩地区にある都立小平霊園に新たに開苑した「樹林墓地」です。

2012年に第1回目の募集をしたところ、都立初の樹木葬ということもあり、メディアでも大きく取り上げられ、初年度500体の募集に対して16倍の応募が殺到しました。

その人気の理由は何だろう?と考えながら、小平霊園を訪問しました。


都内有数の規模を誇る都立小平霊園

  • 小平霊園の参道にある石材店の軒先
  • お墓参りに向かう人が後を絶たない

二十四の瞳で有名な作家の壺井栄、歌手の松島詩子ら著名人も多く眠る都立小平霊園は、戦後すぐの1948年に開園しました。

墓地の総区画約40,000 と大規模な霊園です。最寄りの西武新宿線「小平駅」から霊園までの参道には、石材店が軒を連ね、家紋入りの手桶を懇意の店で受取り、仏花を買い求めて、お墓参りに向かう人をよく見かけます。お墓参りと共に歩んできた街の姿を、かいま見ることができます。

2012年、新たに開設された樹林墓地の敷地は、正門を入ってすぐ左手にある管理事務所から歩いて5分ほどの場所にあります。

芝生が敷き詰められて小さな公園のような雰囲気

  • 樹林墓地の入口です
  • 芝生が敷き詰められた樹林墓地

樹林墓地という言葉の響きから、林の中にお骨を埋葬するとイメージした方もいらっしゃるかもしれませんが、芝が敷き詰められて「樹林」というよりも「公園」という雰囲気でした。

834平米の敷地が樹林墓地のスペースです。変形の扇型なので、正確ではないですが約30m 四方の大きさをイメージしてもらえればよいでしょう。

その芝生に、コブシやナツツバキなどの樹木が10本程、植えられておりシンボルツリーとなっています。

写真ではもっとたくさんの樹木が植えられているように見えますが、樹林墓地の周りの木々が「借景」のように映っているためで、実際に樹林墓地に植えられている木々は多くはなかったです。

見ることはできませんが、地下には遺骨を埋葬するための直径1m50cm、深さ2m 余りの筒状の「共同埋葬施設」が27か所に設けられて、お骨が埋葬できるようになっています。

気になる費用は、13万1,000円 または 4万3,000円

  • 小平霊園の管理事務所。費用も詳しく教えてくれます
  • 小平霊園は運営が公営という安心感があります

樹林墓地の使用料は、13万1,000円(遺骨1体)です。遺骨を粉末状にすることを自分で行えば、4万3,000円とさらに負担が軽くなります。※粉末化は、粉末代行業者(例 戸田葬祭場)に任せる方法もあります。

都内でお墓を建立するには土地代(永代使用料)と墓石工事費を合わせて 約100万円~という費用がかかりますので比較しても割安です。

安さの理由の一つが、個別の区画ではなく合祀(合葬)であるということです。埋葬も、家々が個別にするのではなく、霊園側に任せて一括して行うという点にあります。

2014年には、個別タイプの樹木葬区画も募集開始予定

  • 個別区画を建設中で2014年募集開始予定です
  • 工事用の柵の隣は樹林墓地で、完成すれば一体化します

今回開園した区画は合祀(合葬)の区画です。合祀とは、他の人の遺骨と一緒に埋葬する方法です。一度遺骨を埋葬すれば取り出すことはできません。費用は安くても合祀には抵抗がある・・・という方は、2014年に募集開始予定の「樹木墓地」に期待しましょう。

小平霊園では、「樹林墓地=合祀・合葬」「樹木墓地=個別埋葬」と分けて計画しています。

個別区画は、今回、開園した樹林墓地に隣接して計画されており、2012年から工事がはじまっていました。30年間、個別区画に埋蔵して、その後合祀する樹木葬になる予定です。

小平霊園を見学して

都営初の樹木葬を見学して、人気の理由として、

 1)都営であることの安心感
 2)自然回帰の時代の流れ
 3)13万1,000円~4万3,000円という費用で埋葬できること

などが、樹林墓地が16倍もの人気となった背景にあるのではと感じました。現時点での公営の樹木葬は、横浜市と東京都の2箇所のみですが、全国的に増えていく可能性を感じさせる小平霊園の樹林墓地でした。


合わせて最新版の小平霊園のレポート「樹木葬・樹林墓地を巡る【7】 小平霊園に樹林墓地が誕生して3年」もどうぞ。

申し込みに関して
※平成26年(2014年)5月26日に、今年度の都立霊園の樹木葬の募集概要が発表されました。詳しくは、都のホームページ(参考:平成26年度(2014年)の都立霊園の募集要項のページ)でご確認ください。

2年目の都立小平霊園・樹林墓地の募集数は1,600へ増加の記事もお役に立てるかも。


過去2年の応募状況や倍率など
2012年(平成24年度)はこちら、公営霊園の樹木葬の倍率(都立小平霊園)をご参照ください。
また、2013年(平成25年度)は、東京都のホームページ(平成25年度 都立霊園公募受付状況と公開抽選について)でご確認ください。

※2014年5月30日、使用料変更の発表に伴い金額を更新しました。

霊園名 都立小平霊園
運営者 公益財団法人 東京都公園協会
開園 1948年
樹木葬の開設 2012年
費用(粉骨未だ) 13.1万円(遺骨1体)
費用(粉骨済み) 4.3万円(遺骨1体)
樹木葬の総募集数 10,700体(初年度は500体)

関連する記事

タグ一覧

注目の記事【PR】

あわせて読みたい

カテゴリ別ランキングRanking

終活・エンディングのこと

もっと見る

あなたにおすすめ記事Recommend