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樹木葬・樹林墓地を巡る【4】 桜葬・大阪

樹木葬・樹林墓地を巡る 第4回 エンディングセンター

  • 高槻桜葬1
  • 高槻桜葬2

前回の第3回では、NPO法人エンディングセンター(以下、エンディングセンター)による東京の樹木葬「桜葬」をレポートしました。2000人を超える会員が集うなど関心の高い桜葬が、2012年1月に関西で初めてオープンしました。場所は高槻市。まだ真新しく、スタッフが試行錯誤しながら生み出そうとしている桜葬を取材しました。


山岳信仰の古刹「神峯山寺」と「桜葬」

  • 神峯山寺 紅葉の名勝でもある「神峯山寺」に桜葬が完成
  • ハイカーが行き交う ハイキングコースにもなっておりハイカーが行き交う

大阪府高槻市は、古くから大阪と京都を結ぶ交通の要衝として栄えてきました。高槻の神峯山寺(かぶさんじ)といえば、1300年を超える古刹であり、紅葉の名勝としても名高いお寺です。

ハイキングコースにもなっており、東海自然歩道のポンポン山の豊かな自然の中をハイカーが行き交う姿や、地元の方が散歩する姿を目にします。桜葬は、地域に根付いたお寺の永続性とNPOの市民感覚が結びついて誕生しました。

高槻の桜葬は6つの埋葬エリアから選択可能

  • 大地の礎 「大地の礎」 1人40万円
  • 木の精 桜のシンボルツリーを囲む「木の精」

芝生が広がるのどかな公園のような雰囲気の桜葬は、「川添善行・都市・建築設計研究所」による設計。約2000平米の桜葬墓地は6つの埋葬エリアに分かれており現在、346区画が募集中です。「大地の礎(だいちのいしずえ)」と名付けられた区画は、碁盤の目状に正方形の石が配置され埋葬箇所を特定しやすいデザインです。

「木の精(きのせい)」と名付けられた区画は、桜のシンボルツリーを囲むように区画が配置されております。街を見渡せる高台にあり遠く奈良県の葛城山まで望める景色が気持ちよい所です。その他「桜の丘」「緑の丘」「風の旅人」「空の音」などそれぞれに特徴をもっています。

エンディングセンターが大切にしていることの一つが「選ぶことができる」ということ。それぞれの区画には、石板があり、名前のプレートを掲げることができますが、名前を掲げることなく無名に帰すことを望まれる方もいるとか。それもまた自由なのです。

春には合同祭祀

  • 合同祭祀 桜の咲く季節には合同祭祀が行われる
  • 井上さんの講演 合同祭祀に先立って開かれたエンディングセンター代表、井上治代さんによる講演

桜葬は、買って終わりのお墓ではなく、お墓を求めたことをきっかけとして縁が広がっていくという考え方をされています。その一つが、東京・町田の桜葬でも毎年開かれている春の合同祭祀です。

大阪・高槻の桜葬でも、2012年4月14日に1回目の合同祭祀が開催されました。エンディングセンター代表、井上治代さんの「慰霊と桜 日本人のこころ」と題した講演の後、桜葬墓地に移動して、合同祭祀が行われました。

自然の中で聞く無宗教の詩の朗読、お経の響きは心が鎮まります。参加された方も思い思いに手を合わされていました。

ハイキングの会が自然発生的に発足

  • 交流会 セミナーなどイベントの後には交流会が開かれ和気あいあいとした話が盛り上がる
  • 遺影撮影会 会員向けに遺影撮影会を企画することも

エンディングセンターでは「さくら講座」と題した会員さん向けのセミナーや勉強会が毎月のように開催されていますが、講座の最後にはよく交流会が開かれます。

会員さんの中に、エンディングセンタースタッフも混ざり、時には、桜葬を検討中という方も加わり、お葬式やお墓談義に花が咲きます。日頃なかなか他の人に話しをしたり、思いを共有することができない死に関することだからかもしれませんが、話は尽きることがありません。

ある時の交流会で、誰かがふと「ハイキングコースとして有名な神峯山寺のあるポンポン山を歩いてみたい」という話題が出ました。そうすると別の会員さんが「私は地元の者で、よくこの辺りを歩いていますよ。よければご案内しましょうか」と応えました。あれよあれよという間に、参加者の手があがり、1回目の日程が決まって、ハイキングの会が発足したのでした。

お墓を縁として新たな縁が生まれ、それは誰かに強制されたわけでも、利害関係でもなく、自らが選択をする場となっていることに驚きました。

関西の樹木葬の新しい扉を開く高槻の桜葬

樹木葬は1999年に岩手県ではじめて行われたことなど、全国の樹木葬地図を俯瞰すると、東高西低の様相で、関東では公営霊園にも樹木葬が見られるなど選択肢が多いですが、関西は樹木葬の広がりがこれからという状況です。

そんな中で、関東の樹木葬を牽引してきたエンディングセンターの桜葬が、高槻市に完成したことは関西で樹木葬を探している人にとって、貴重な選択肢が増えたといえるでしょう。

スタートしたばかりの高槻の桜葬が10年後、20年後に、どんな集いの場となっているのか・・・お墓の枠を超えた期待を抱かずにはいられませんでした。

お問合せに関して
大阪(高槻市):NPO法人エンディングセンター 関西事務所
東京(町田市):NPO法人エンディングセンター 町田事務所

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所在地神峯山寺開成院霊園
企画NPO法人エンディングセンター
樹木葬の開設2012年
費用1名40万円、2名60万円など
(使用人数によって変動)
樹木葬墓地の広さ約2,000平米
募集区画346 ※2013年1月時点

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