定年世代に人気の「健康寿命をのばす」料理教室とは?

記事を保存しました
料理1

創立からおよそ58年という長い歴史をもつ「ベターホームのお料理教室」。料理の基本や毎日の食事作りに役立つ知恵、健康に暮らすための知識などを織りまぜた講座を、全国の教室で開催しています。

「お料理入門コース」から「洋食・中華おかずの基本」「手作りパンの会」など15種以上のコースがありますが、なかでも「うれしい作りおき料理」や「からだを整えるバランスごはん」といったライフスタイルにあわせた個性的なコースが展開されているのも魅力的です。

特に定年世代に人気のコースがあるといいます。それが、「健康寿命をのばす元気ごはん」。「健康寿命」というと、還暦を迎えるあたりからなんとなく気になってくるワードの一つですよね。毎日の食事によって、健康で、若々しく、自分らしく生きることは、とっても大切なこと。いつまでも若々しく、元気に過ごすために必要な料理や生活の知恵を、楽しく身につけることができるというこちらのコースについて、「ベターホームのお料理教室」でキャリアも長いベテラン講師の宗像陽子さんにお話をうかがいました。


お話を聞いた専門家

宗像 陽子(むなかた ようこ)さん

宗像陽子さん




ベターホームのお料理教室 講師 。「ベターホームのお料理教室」で25年以上にわたり指導にあたる。また、「健康寿命をのばす元気ごはん」のほか、伝統的な家庭の和食、行事食を伝える「和食応用技術の会」など、多数のコースのメニュー開発を担当。新聞などメディアへのレシピ提供も行ってきた。

これからの時代は生き生きと健康長寿

宗像先生は、「健康寿命をのばす元気ごはん」コースのメニュー開発をご担当されていらっしゃるとのこと。まずはこちらのコースについて教えていただけますか?
「健康寿命をのばす元気ごはん」は、「ベターホームのお料理教室」の長い歴史のなかでも、最近の2019年春に開講したコースです。

料理教室1

近年は「健康寿命」「健康長寿」という言葉もよく耳にするようになり、「食」が果たす役割にも強い関心が寄せられています。そんなニーズもあり、日本の健康長寿研究で得られた知識をもとにして「健康寿命をのばす元気ごはん」がスタートしました。

おいしくて手軽にお作りいただける料理を実習しながら、無理なくおいしく、多様な栄養をとれる食事作りの具体的な知恵や、いつまでも若々しく、健康に過ごすための食事のしかたなども分かりやすくお教えしています。

若々しさを保つには、たんぱく質が重要?!

健康寿命をのばすためには、具体的にどういったことが必要なのでしょう?

(1)バランスのとれた栄養素
(2)筋力アップの運動
(3)社会参加で生き生きと暮らすこと

この3つが健康寿命をのばすために必要な三大条件です。

そのうち最も基本となるのが「バランスのとれた栄養素」です。さまざまな栄養素をバランスよくとることが大切ですが、なかでもシニア世代にとって最も重要なのはたんぱく質! 身体を構成するたんぱく質が少なくなっていくと、筋肉が衰えていき、日常生活に支障をきたしてきます。これが、すなわち老化。

老化防止には、たんぱく質の素になる、肉類がもつ必須アミノ酸(体内で合成できない)を食事でとる必要があります。たんぱく質の必要量は1日につき、体重1kgに対して1gが目安。体重が60kgの人であれば、1日60gのたんぱく質を肉のほか、魚、大豆、卵、乳製品などから摂取する必要があるのです。
料理教室2

「健康寿命をのばす元気ごはん」では、一食で30g以上のたんぱく質を、おいしい料理で上手にとる工夫をご紹介しています。また、実習のメニューは、塩分控えめで3g以下に抑えていますが、食事の満足感をしっかりと得られるような知恵もお教えしています。

それから、料理教室では珍しいことかもしれませんが、調理の実習や栄養の知識だけでなく、「筋力アップの運動」である筋トレをご紹介する時間を設けているのも特徴です。

そしてなにより料理教室に通うこと自体が、「社会参加で生き生きと暮らすこと」にもつながります。ベターホームのお料理教室には、初めての方や、お一人で始められる方も大勢いらしゃいます。グループで楽しく調理ができるよう、講師がお声がけしながら進めていきますので、安心してご参加いただけますよ。

健康寿命をのばす「栄養素密度の高い食事」とは?

健康寿命をのばすための三大条件が自ずと組み込まれているのですね。これからの実習でどんなメニューを学べるのか、ひとつ教えていただけますか? それでは、11月のメニューをご紹介したいと思います。
11月は、こちらの4品を作っていきます。

・ とりむね肉のクリスピー焼き
・ キャベツとにんじんのマリネ
・ だいこんのポタージュ
・ かぼちゃシナモン
メインである「とりむね肉のクリスピー焼き」は、パサつきがちなとりむね肉をマヨネーズを加えた下味で、しっとり柔らかくいただけます。老若男女が好む、とり肉のから揚げに近いメニューを、フライパンで揚げ焼きにすることで手軽に作れるのがポイントです。

衣のコーンフレークのサクサクとした食感がアクセント。下味には生姜やニンニクを使っているので、塩分控えめでも味にメリハリがつきますよ。
料理2

副菜の「キャベツとにんじんのマリネ」は、コールスローのようですが、キャベツを蒸し煮にして食べやすくするというひと工夫をしています。

「だいこんのポタージュ」は、旬のだいこんの甘みが滋味深い一品。だいこん、ねぎ、牛乳、バターというシンプルな材料を使い、簡単でおいしく仕上げます。

「かぼちゃシナモン」は、かぼちゃに体を温めるシナモン、レーズンの甘みも加えて一味違う仕上がりに。バターを加えることで、かぼちゃのビタミンが吸収されやすいという調理法で作ります。

1回の講座で4品も作れるのですね。 これからの季節にぴったりな知恵や栄養面での工夫も盛り込まれていて、実際に作ってみたくなります。味わいも多彩で栄養素もバランスよく摂取できそうですね。
健康寿命をのばすためには、たんぱく質が重要というお話をしましたが、それに加えて、栄養素密度の高い食事、多様な食品をバランスよく食べることが大切だとされています。

栄養素密度の高い食事とは、主食に加えて肉類・魚介類・卵・牛乳・大豆製品・緑黄色野菜・芋類・果物・海藻・油脂類の10の食品群のいろいろな食材が盛り込まれ、多くの栄養素が含まれた食事のことです。

こちらのコースでは、

魚・油・肉・牛乳・野菜・海藻・芋・卵・大豆・果物
さ・あ・に・ぎ・や・か に・ い・た・だ・く

と、楽しく分かりやすくお教えしています。

1日の食事にこれらの10の食品群の食品をしっかりと、バランスよく取り入れられる季節のメニューを提案しています。

「健康寿命をのばす元気ごはん」コースはどのような受講生が多いですか?
平日はシニア世代の男性が多いですね。特に、定年退職を機に、料理をはじめたという男性の参加者も多くいらっしゃいます。土日は若い方の受講も多く、身体によい食事について関心を持っている方や、ご自身の親御さんの食事について知りたいという方もいらっしゃいます。実習に余裕がありますので、和やかな雰囲気で、みなさまに楽しんで作っていただいているようです。

昨今はコロナ禍の世の中ですが、教室でのコロナ対策はどのような取り組みをされているのでしょうか?
これまで4名1組だった実習を、2名1組に変更しています(2020年11月現在)。

教室内のテーブル・備品のアルコール消毒を徹底し、教室に入室の際は、講師、受講生の方にもマスクの着用でお願いしています。

*ベターホームお料理教室/新型コロナウイルス感染症の対策はこちら
http://www.betterhome.jp/school/safety-lesson/


料理中

ボリュームたっぷり!参加者からの好評の声

これまでの参加者の声をご紹介いただけますでしょうか?
「たんぱく質をしっかりとることが大切なのが分かった」「どのようにしたら食事に含まれるたんぱく質を増やすことができるのか、分かりやすかった」といったお声をたくさんいただいています。

また、「メニューが手軽に作りやすく、おいしかった」「ボリュームがたっぷりで驚いた」といったお声もありますね。

寿司

今後の開催日程について教えてください。
11月~翌年4月までの秋冬コース、5月~10月までの春夏コースをそれぞれ全6回で開催しています。半年間通うのは難しいという方は、1回から受講できるチケット制もありますので、ご都合にあわせてご利用いただけます。

実習時間は基本的に2時間15分です。日程は各教室の時間割にあわせて開催となります。午前、午後、平日夜、土曜夕方クラスがありますが、教室により異なりますので、資料請求をいただくか、ベターホームのお料理教室のホームページから「開講スケジュール」をご覧ください。

和食

「健康寿命をのばす元気ごはん」のメニューでは、旬の食材も取り入れ、「ぶりのみぞれ鍋」や「鯛と菊花の手まりずし」など、大人の季節感あふれるメニューがラインアップ。そのなかで、肉、魚、豆、乳製品、卵のたんぱく質を工夫してバランスよく召し上がっていただくことができます。

また、鯖缶やもち麦、長芋、カニカマボコなど、話題の食材を取入れたメニューも組み込んでいます。栄養素密度の高い食事をしっかりとバランスよく摂取しながら、毎日の食事の時間をぜひ楽しんでいただきたいですね。

ベターホームのお料理教室

「健康寿命をのばす元気ごはん」についてのお問い合わせ先
TEL 03-3407-0471
(月〜金 9:30〜17:30/土 9:30〜17:00/日 9:30〜14:00)

(取材・文章:敬食ライター 味原みずほ)

この記事の取材協力先

ベターホームのお料理教室

ロゴ 公式HPへ

関連する記事

タグ一覧

注目の記事【PR】

あわせて読みたい

カテゴリ別ランキングRanking

定年退職のこと

enな人々

もっと見る

あなたに
おすすめ記事Recommend