納骨堂のLINE見学予約受付中!動画解説付き【東京都港区の納骨堂/青山霊廟】
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春と秋の彼岸には、小学生の孫たちを連れて菩提寺に墓参りをする。
花やろうそく、線香などをそろえ、車で1時間ほどの道のり。ちょっとしたピクニック気分を味わえるようで、孫は喜んで付いてくる。
寺に着くと、二人は競い合うように走り出し、桶に水をくんでくれる。柄杓で墓石に水をかけるのがお気に入りだ。雑巾できれいに拭き、花と線香をあげる。
二カ所ある墓の場所も覚え、一つ目を終えると次に向かう。こちらから言う前に、すっかり手順を覚えて自分たちで動くようになった。
墓参りの帰りは楽しいランチタイムだ。
中学や高校になると家族よりも友達になり、部活動も忙しくなって付き合ってもらえないだろう。こんな時間を過ごせるのは、あと数年かもしれない。ランチタイムのひと時も含めて、我が家の墓参りなのだ。
「じいじ、うちらと同じ苗字のお墓は、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが入っているの?」
「そうだよ」
「じゃあ、もう一つのお墓は? 田中ってだぁれ?」
孫たちには「遠い親戚」と答えたが、本当は違う。「田中」は顔も覚えていない私の父の墓だ。
私は父と母が学生時代、まだ結婚する前に生まれた子で二人は結婚することなく別れた。私は赤ん坊のときに父方の親戚に引き取られ、実の子として育てられた。その事実を知ったのは大人になってからだった。
このことを自分からいうつもりはないが息子がいつか孫たちに話すかもしれない。
墓参りに来ることがなければ、孫も「田中」の墓に興味を示し、いつか私の生い立ちを知ることもないだろう。
そう思うと、日頃こうして家族の歴史を振り返るきっかけなどなかなかないが、墓参りには後世に家族の歴史をつないでいく、という意味があるのかもしれない。
私にとって「親」とは、生活を共にした「育ての親」だけだとしか思えないが、命を授けてくれたことへの感謝を込めて彼岸の墓参りだけは、これからも続けていこうと思う。
一緒に来てくれるうちは、かわいい孫たちも連れて。
Iさん(60代男性)
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日本の歳時のこと
家の建築・リノベーションの専門家
地味に忙しい幸運体質の編集人
ライター・ディレクター
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実務家ファイナンシャルプランナー
ライター・レポーター
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