納骨堂のLINE見学予約受付中!動画解説付き【東京都港区の納骨堂/青山霊廟】
「ずっと家にいて終活が進まない」 「そろそろ納骨したいのに見学ができない」 そんなお悩みを少しでも解決すべく、青山霊廟(東京都港区北青山2-12-9・外苑前徒歩2...
これまで「一度も写真を撮っていない」「写真を一枚も持っていない」という人はいないのではないでしょうか。多くの人が、生まれてから現在までたくさんの写真を撮り、デジタルかアナログかに関わらず、数十枚から多い人は数千枚の写真を持っていると思います。
しかし、これまでの人生で撮ってきた写真を頻繁に見返している人は少なく、アルバムに挟み込んだまま何年も開かずにいたり、デジタルカメラに残したまま放置している人が多いように思います。
そんな中、シニア向けパソコンスクールを運営している「一般社団法人パソコープ」という団体が、生徒さんからの要望に応えるカタチで「写真整理クラス」を開き、その後「写真整理アドバイザー」という資格認定を始めました。(現在は一般社団法人写真整理教会が発足し運営)
今回は、「写真整理アドバイザー」という資格について、写真整理協会理事を務める浅川純子さんに聞いてきました。
「写真整理アドバイザー」の資格認定を始めて3年。浅川さんは、シニア向けパソコン教室の講師の1人でした。
「私たちはもともとパソコン教室だったので、写真を整理するための教室もあったし、先生もいましたし、1万3千名のシニアの生徒もいました。もちろんパソコンもスマホもスキャナーもあり、写真整理に必要な条件はすべて揃っていたんです」
きっかけは生徒さんからの要望でした。「写真が自宅にいっぱいあるけどどうしたらいい?」
「要望はあっても、日々の授業があるため、対処しようとする人がほとんどいませんでした。私は、『写真って大事なものだよな。なんとかしてあげたいな』ってずっと気になっていました」
あるとき、仕事仲間の「浅川さん、写真って見るために撮ってるんですよね?でもみんな見てませんよね?」という言葉に、「そうだ!確かに撮る割に見てない。捨てはしないけど、どこかにあればいいやって思ってた」とはっとさせられました。
「その時、『やらなきゃ』って思ったんです。自分だったらできるし、みんな助かるだろうなと。すごく地味な作業になるだろうけど、そこまで人に寄り添える仕事って他にないんじゃないかなって思いました」
浅川さんは、当時の代表理事を1年間かけて説得し、「そこまで言うならやってみようか」とOKをもらいました。そこからはトントン拍子に進み、理事たちの協力でテキストや研修制度ができました。
「最初私は、写真整理の場ができればいいと思っていました。写真整理を通じて、地域にコミュニティの場ができればいいかなと。でも、私たちの思いも含めて伝えられる『資格制度』にしようということになりました」
資格認定を始めて3年。現在では北海道から九州まで、日本全国に「写真整理アドバイザー」がいます。年齢層としては、30〜40代の女性が一番多く、その次に50代〜60代の女性が多いとのこと。子育てから手が離れた人が多いのかと思ったら、子育て真っ只中の人が多いことに驚きです。
「みなさん自分の子どもが生まれると、毎日のように写真を撮るようになります。子どもが生まれたときって、写真への思いが高まるときなんですね。また、子育てでフルタイムで働きにくい30代〜40代の女性たちは、将来に展開できる資格として、『写真整理アドバイザー』を受けてくださる方も多いんです」
資格取得のための受講は、パソコンがあればオンラインでもできます。初級アドバイザーなら4時間。上級アドバイザーなら1日あれば取得可能。
受講すると、写真の仕分け方やパソコン・タブレット・スマートフォンの基本操作の知識、スキャナーの操作、写真・動画の編集、データの保管の知識を学び、相手に合わせた写真の整理の仕方や、作品づくりの提案などを行うことができるようになります。
「自宅でできる仕事は時給2000円くらい。訪問して行う仕事は5000円くらいの相場観で案内しています。あとは、スキャナーなどで写真を取り込む作業が伴うものの場合、1枚あたり40円〜50円。
早い機械だと、1時間に1000枚前後取り込めますから、1時間で5万円ほど稼げる計算になります。とはいえ、取り込んだ写真の汚れなどをきれいにしたり、トリミングしたり、撮影日などの情報を入れてあげたりなどの作業を加えれば、その3〜4倍は時間がかかります」
ほかに、アルバム作成代行なども、とてもニーズが有るのだとか。
「私たちの考え方としては、整理がつくのがゴールではなく、写真本来が持つ『見る』という目的まで達さないと意味がないと思っています」
古い分厚いアルバムをデジタル化する依頼が増えているようですが、デジタル化したものを、一部の写真だけもう一度アナログ化して、スリムなアルバムにまとめる依頼も少なくないそうです。
「私はもともとパソコン教室の講師でしたが、写真整理アドバイザーとの大きな違いを感じています。
パソコン教室の講師は先生という立場で、『ここまでできたらすごく楽しいよ』と、生徒さんを未来の姿に誘導するのが主な役割で、生徒さんに『若い人たちに負けてないわ』と自信を持ってもらうのが主な目的です。
一方で写真整理アドバイザーは、写真の整理をサポートするという役割を通して、『もうすでに私は幸せだ』ということに気づいてもらうことが本当の目的です」
そのため写真整理アドバイザーは、自分が話すことよりも、相談者さんの話を聞くことのほうが大事。相談者さんとの関係性は横並びか、もしくは下から持ち上げるという立場です。
とはいえ、専門家ではあるので軽んじられるわけではなく、アドバイスや作業を終えると、相談者さんから深々と頭を下げられ、とても感謝されることも多いそうです。
「私は、写真整理アドバイザーは高齢の方に合う資格だと思っています。人生経験が豊富で、相談者さんと同年代なら、写真を見ながら『自分もこの頃こんなことあったな』って共感して聴いてあげられますから。
相談者さんは、自分の人生を振り返りたいし、確認したい。また、第三者に聞いてもらって、関心や共感を持ってもらうことで、喜びを感じます。そうして自分の人生を『幸せだったんだな。色んな人に支えてもらってたんだな』と改めて感じられる。そこがすごく大事なんです」
自治体や介護施設などのイベントに参加するなど、写真整理アドバイザーの活躍の場は、今後ますます広がっていきます。
例えば、「子どもの頃、写真が飾ってあったりアルバムがきちんと整理されてあった家に育った人は、自己肯定感が高い」と言われていたり、「介護施設で入所者さんの若い頃の写真をスタッフや入所者で見ると、『すごい人なんだな』『頑張っていたんだな』と見え方が変わる」。
さらに、「仲の悪かった亡き母親の写真の整理をしていたら、愛されていた子どもの頃の記憶が戻り、感謝の気持ちで満たされた」など、写真を撮ることや飾ること、見ることや整理することで得られる良い効果は、いろいろなところで出ています。
こんなにやりがいのある「写真整理アドバイザー」の資格。興味がある方は、一般社団法人 写真整理協会のサイトをのぞいてみてください。
(取材・執筆:旦木 瑞穂)
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