若い頃の保育士や幼稚園教諭の資格が活かせる!「保育ママ」ってどんなお仕事?

若い頃に保育士や幼稚園教諭、看護師などをしていたけれど、結婚や出産を機に現場から離れたという方は少なくないのではないでしょうか。そして子育てが一段落する頃、もう一度現場に戻って働きたいと考える方は多いと思います。

そこで今回は、すでにある保育園や幼稚園などに勤めるのではなく、保育士や幼稚園教諭、看護師の資格を活かして働ける「保育ママ」「家庭的保育事業」という制度について、川崎市こども未来局子育て推進部保育課保育支援係の、石原貴之課長補佐と角倉慶介さんにお話を伺いました。

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「保育ママ」「家庭的保育事業」って何?保育園や幼稚園との違いは?

川崎市では2015年以降、「保育ママ」という制度は「家庭的保育事業」という制度に変わりました。

どちらも保育士や幼稚園教諭、看護師などの資格を持った人が、自宅などで0〜2歳の乳幼児を保育する制度ですが、2015年以前にあった「保育ママ」は認可外保育事業でした。

しかし2015年に子ども・子育て支援新制度が始まり「家庭的保育事業」となってからは、認可保育園と同じ扱いになりました。

そのため、「家庭的保育事業」の保育室に子どもを預けたい保護者は、ほかの保育園と同様、区役所に必要書類を提出し、両親の就業状況などと照らし合わせて選考を行い、利用調整基準に基づいて入所が決まります。

朝は8時半〜夕方17時までが「家庭的保育事業」の基本的な保育時間です。その前後1時間ずつは延長保育となっており、「家庭的保育事業」を行う事業者と各保護者との話し合いによって利用の可否が決まります。

「保育園よりは預けられる時間が短いため、パート勤務の方やフルタイムでも時短勤務中の方などが保育を希望されることが多いです」

保育園や幼稚園と「家庭的保育事業」との一番の違いは、保育園や幼稚園は少なくとも数十人の子どもたちを保育しますが、「家庭的保育事業」の場合は3〜5人の少人数であることです。

年齢の異なった子どもたちを同じ部屋で保育する場合が多いため、異年齢保育のメリットを求める保護者や、少人数だからこそできる子ども一人ひとりと向き合う保育の実現や、保育者と保護者との信頼関係が深められると考える保護者に人気があります。

「家庭的保育事業」(保育ママ)の保育者にはどんな人がなれるの?

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川崎市こども未来局子育て推進部保育課保育支援係のみなさん

川崎市では、毎年6月頃に募集要項が配布されます。募集要項には、年齢は25歳〜60歳の方で、保育士、看護師、准看護師、幼稚園教諭のいずれかの資格を有することと書かれています。

また、それらの資格を取得してから、保育所などで3歳未満児の保育・看護に関して2年以上の豊富な経験があること。

健康で乳幼児の保育に専念するため、小学校就学前の子どもや、介護が必要な家族がいないという条件もあります。もちろん、ほかに職業を持っていてはいけません。

「『家庭的保育事業』は、保育者のほかに補助者を最低1人は確保しなくてはいけません。

なぜなら、怪我をした場合などの緊急の対応や、たった1人で長時間目を離さないことは現実的に難しいからです。

そのため、補助者は2人以上いる保育室もあります。また、原則的に完全給食なので、調理員の確保が必要です。

調理自体は毎月市が献立を送っているので、必ずしも資格は求めていませんが、調理師や栄養士の資格があればより良いです」

保育を行う場所としては、自宅の一部を開放して行うケースが多いようです。

「ある程度保育経験のある方が、『一度自分でやってみようかな』と考える方も少なくありません。第2の人生を考えられるのか、子育てがひと段落したタイミングで始められる方は少なくありません」

川崎市は2018年4月1日現在、「家庭的保育事業」施設は23ヶ所にあります。そのうち5施設が40代。19施設が50代。4施設が60代の保育者が開設しています。

「家庭的保育事業」のメリット・デメリットとは?

「家庭的保育事業」を始める場合、保育する場所だけでなく、補助者や調理員というスタッフ確保し、給料を支払わなくてはなりません。すでにある保育園や幼稚園などで働く場合とは大きく異なり、経営者的な能力が求められます。

「補助者や調理員は、以前勤めていた保育園や幼稚園の同僚や近所の友だちなどに頼むケースが多いようですが、雇うからには自分でお給料を払うことになるので、ある程度経営者や事業者のようなところは問われますね。

健康保険に加入させたり、最低賃金を守ったりといったことも絡んでくるので、税理士さんや社会保険労務士さんに委託しながらやっている方が多いです」

年間計画を立てたり、書類の作成なども行うため、ある程度パソコンスキルも必要になります。しかしもちろん、「家庭的保育事業」に挑戦するメリットもあります。

「家庭的な異年齢保育の良さもあるようで、人気のある「家庭的保育事業」施設は周囲の評判が良くて、「保育園に入れないから仕方なく」ではなく、積極的に希望される方も多いです。

毎年市で開催している、家庭的保育事業者や利用している保護者とその子どもさんが参加するイベントがあるのですが、そこで家庭的保育事業を知る方も多く、『家庭的保育事業っていいね』という感想を話されている方も少なくありませんでした」

保護者たちは、保育者の親しみやすさなどといった人柄や、子どもとの関わり方などといった保育の方針などを見た上で、自分の就業時間と照らし合わせて選んでいるようです。

また、「家庭的保育事業」の保育室には必ず「連携園」が設けられており、3歳以降の保育は連携園に移ります。「連携園」とは七夕や運動会、クリスマス会などといった行事を一緒に楽しみ、交流を図ります。

募集要項が60歳以下の場合、50代後半でも応募して大丈夫?

「募集要項には25歳以上60歳以下と書かれていますが、58歳とか59歳だからといって諦めないでほしいです。昨年度も58歳の方で認可が降りている事例もありますし、定年は現状65歳なので、60歳手前でも能力や経験があるなら充分検討していただければと思います」

保育者として活躍している方は、毎日保育室を開け、共働き家庭の子どもを預かることが仕事です。そのため、「家庭的保育事業」の保育者に向いている方は、体調を崩してダウンすることがあまりない、「健康に自信のある方」だそうです。

「保育室はその人がいないと開けられません。土曜日は休みですが、平日は開室していないと保護者の方が困ってしまいます。そのため、『家庭的保育事業』で長く活躍している方は、健康な人や体力に自信のある方が多いですね」

最近、60歳以上の健康で元気な方の割合が、過去最高になったというニュースもありました。

川崎市は2015年以降、「家庭的保育事業」のみに絞られましたが、自治体によっては「保育ママ」も存続しているところもあります。

保育することや保育室経営に興味があり、子どもが好きで健康に自信のある方は、各自治体の保育課に相談してみてはいかがでしょうか。

(取材・執筆:旦木 瑞穂)

この記事の取材協力先

川崎市こども未来局子育て推進部保育課
http://www.city.kawasaki.jp/450/soshiki/44-2-1-0-0.html
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