定年世代の人とつながる習いごと「ヤマハ大人の音楽レッスン」

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人生100年と言われる時代。近年、定年退職後の過ごし方に注目が集まっています。

その中のひとつに「習いごと」がありますが、ひとことで「習いごと」と言っても、その内容や目的はさまざまであり、人それぞれ。
「習いごと」に興味はあるけど、年齢を重ねた今、どんなことが習えるのか、「習いごと」はどのように選べばいいのか、「習いごと」をする目的は何なのかなど、気になっている定年世代は少なくありません。

そこで、定年世代に人気のヤマハ大人の音楽レッスンについて、ヤマハ音楽振興会の大友さんにお話を聞いてきました。

健康維持・増進を目的とした定年世代に人気のプログラム

ヤマハ大人の音楽レッスンは、音楽に関係したバラエティ豊かな37コースが用意されています。

ヤマハといえば、「楽器を習うこと」を思い浮かべる方が少なくないと思いますが、実は健康をテーマにしたプログラムもあるんです。それが、『健康と音楽』『健康と歌』です。

「どちらも、60代以上の方の健康をテーマにした、ヤマハ独自のプログラムです。『健康と音楽』は、音楽に合わせて、腕の動きなどを付けながらウォーキングなどの有酸素運動を行ったり、レジスタンスエクササイズと言って、あまり使わない筋肉に適度な負荷をかけることによって筋力を増強するエクササイズや、身体の柔軟性を高めるストレッチ、リズムエクササイズと言って、音楽に合わせて講師が叩いたリズムを手や足で真似て、脳や感覚系に刺激を与えるエクササイズなどを行います」

身体を動かす肉体的なエクササイズが3割で、残り7割は歌や音楽、リズムなどを使って脳や感覚系を刺激し、活性化させることを目的としたプログラムです。

「『健康と歌』は、『健康と音楽』と比べると、肉体的なエクササイズはほとんどありません。同じ筋肉でも足や腕ではなくて、呼吸筋や表情筋を鍛えます。声を出すために使う筋肉を動かし、活性化させるプログラムです。例えばブレス&ボイストレーニングでは、なるべく大きい声を出すことで肺活量を上げ、腹筋や表情筋を鍛えます」

脳を刺激することで、年齢とともに衰えがちな記憶力や集中力の強化や、声を出すことで呼吸筋や表情筋などが鍛えられます。大きな声を出すことは、ポジティブな気持ちを維持するために有効とされています。

「音楽や歌を中心としながら、健康を維持するプログラムなので、フィットネスジムみたいに激しい動きは無理だけど、多少身体を動かして健康を維持したいという方は『健康と音楽』。健康を維持したいけど、できればあまり動きたくないという方は『健康と歌』を選ばれる感じです」

ヤマハ大人の音楽レッスンの生徒は中高生から中高年へ

最近は楽器を習う教室の方も、シニア層が増えています。

「32年前にスタートした大人の音楽レッスンは、もともとは中高校生が多い教室でした。当時はエレキギター教室の生徒さんは中高生ばかりでしたが、今はシニアの男性が多くなっています。楽器によって男女比や年齢構成は違いますが、サックスだと50代男性が多く、バイオリンは30代女性が多いです。生徒さんの平均年齢が年々上がっていて、最近は40代後半まできています」

現在サックス教室には、80代の方が通っているといいます。

団塊の世代が定年を迎える頃から、シニアの生徒さんが増えているように思います。現在60〜70代の方は、ビートルズやグループサウンズが好きだった方も少なくありません。青春時代は時間もお金もなかったけど、今なら時間的にも金銭的にも余裕がある。だから『好きだった曲を演奏できるようになりたい』『憧れていた楽器を習おう』と考える方が多いのではないでしょうか」

定年をきっかけに趣味を見つけようとする方、若い頃の趣味を再開する方が増えているようです。

レッスンは講師と1対1の個人レッスンもありますが、複数人で受けるグループレッスンもあります。

「グループレッスンだと、最初は全然知らない方と一緒にレッスンを受けるのですが、回を重ねるごとに打ち解けて、お互いの好きなアーティストなどの話で意気投合することも。レッスン帰りに一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりする仲間ができることも多いようです。また、年に数回、レッスンの成果を披露する会やライブを行う教室もあります」

好きな音楽や楽器を習うレッスンなら、同じ趣味を持つ人と出会える確率が高く、1人で習うよりも仲間がいたほうが長続きしそうです。

「シニア層の生徒さんは、習いごとの価値観を変えました。若い生徒さんが中心だった頃は『楽器が上手くなりたい』という目的の方がほとんどでしたが、今は上達することよりも、『仲間を作りたい』『音楽を通じて人とコミュニケーションをしたい』『憧れだった楽器に触れていたい』など多様化しています」

2017年にシニア向けプログラムがスタート

「健康と音楽」「健康と歌」は、2008年から始まった健康系、シニア層向けプログラムですが、2017年には、新しく『青春ポップス』という60〜70代向けのプログラムがスタートしました。

「『青春ポップス』は上手になることが目的ではないため、レッスンとは呼んでいません。耳馴染みのある60〜80年代に流行ったシニア層にとっての青春時代の曲を、振り付けやハモリを加えてみんなで気軽に『楽しく歌いましょう』というプログラムです」

純粋に歌って楽しむことを目的に始まったプログラムで、現在会員は全国に7千人ほどいるとのこと。

「オリジナルの映像には、歌詞や簡単な振り付けが出てくるので、それを見ながら歌います。例えば『心の旅』を歌うとすると、画面にグッチ裕三さんが登場して、曲の解説を面白おかしくしてくれます。ワンフレーズほど歌った後、『ではみなさんで歌いましょう』という流れになります」

楽しむことが目的なので、講師は進行役。教えることはしません。画面を見ながら歌うので、教材はなく、カラオケに似ています。

「昔は、自治会などのコミュニティが地区ごとにありました。しかし近年は、近所付き合いが希薄になり、特に都内では、地区や隣近所で集まって何かをすることはほとんどなくなりました。そういう意味では、自分の好きなコミュニティに参加して、そこで仲間を作るという活動は、音楽に限らず増えていくのではないかと思います」

今後は、インターネットやスマホが使えるシニア層の割合が増えていきます。インターネットを使えば、居住地に関係なく「つながりを持つ」ということが容易になるため、同じ趣味や価値観を持つ友だちや仲間を見つけることが、今より難しくなくなっていきそうです。

「定年世代の習いごと」の取材を進めていると、友だちや仲間づくりのために習いごとを始める方が少なくないことが分かります。

歌うことが好きな方。楽器が演奏できるようになりたい方。好きな音楽を通じて友だちや仲間を作りたい方。

ヤマハでは楽器のレンタルシステムもあるので、楽器がなくても始められます。少しでも興味のある方は、まずは「ヤマハ大人の音楽レッスン」で検索してみてはいかがでしょうか。

(執筆:旦木 瑞穂)

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