定年退職後の生活を心地よく!人気の家電5選

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50代〜60代頃になると、生活スタイルに大きな変化を迎える方が少なくありません。

定年退職し、平日の昼間を自宅で過ごす方。大学進学や結婚で子どもが独立し、夫婦2人暮らしが始まる方。

理由は様々ですが、生活スタイルが変わると、それまで当たり前に使ってきたものが使いづらくなることもしばしば。

毎日の生活に欠かせない家電も、新しい生活スタイルに合ったものへの買い替えを検討する方が多いようです。

そこで今回は、定年退職世代からシニア世代に人気の家電や注目の家電、嬉しい機能がついたオススメの家電を、ビックカメラ新宿西口店家電コーナー担当 海老原未来さんに聞いてきました。

定年退職後におすすめの炊飯器

ポイント:毎日食べるものだから、美味しさにこだわりたい

「定年退職前後の世代の方に説明を求められる家電は、冷蔵庫と炊飯器が多く、特に、炊飯器にこだわる傾向があります。

各メーカーが力を入れているのは、ハイエンドモデルと呼ばれる、8万〜12万円台くらいの高級モデルですが、若い方は正直、炊飯器にそこまでお金をかけようと思う方は少数派。

でも定年退職世代からシニア世代の方は、『毎日美味しいご飯が食べたいから』と購入される方が多いです」

若い人が購入する炊飯機は2万〜3万円台が中心ですが、定年退職世代は炊飯器にこそお金をかけるのだといいます。

「一般モデルと高級モデルの金額の差はどこからきているのかと言うと、中のお釜なんです。例えば象印は南部鉄器のお釜を使っていますし、三菱は炭を彫って作ったお釜。タイガーは土鍋釜を採用しています」

自宅には約10台炊飯機があるという炊飯機マニアの海老原未来さん

各社こだわりのお釜なわけですね。鉄、炭、土と、素材だけで見ても大きな違いがあります。


三菱の本炭釜の炊飯機


「ただ、女性には、南部鉄器製のお釜は重く、扱いづらいようです。土鍋釜は南部鉄器製よりは軽いですが、落としたら割れてしまうため、取扱に注意が必要。それに比べて炭製のお釜は、金タワシでこするのはNGですが、軽くて扱いやすいです」

確かに南部鉄器製のお釜は重量感があり、今後年を重ねた際に女性が扱うのは難しいかもしれません。

「総合的に見て定年退職世代にオススメなのは、三菱の本炭釜の炊飯器です。炭は熱を効率よく伝え、羽釜構造で熱を逃がさず、粒立ちが良くふっくらとしたご飯が炊けます。『粒が立ってて柔らかめ』とか、『かためでもちもち』など、好みに合わせて細かく指定でき、お米の銘柄に合わせた炊き方も選べるんですよ」

コシヒカリ、あきたこまちなど、全国35品種のお米に合わせた炊き方ができます。

象印は保温力。タイガーは炊き上がりの香りやかための食感など、メーカーによって得意分野は様々。ご飯の味や食感、手入れのしやすさなど、重視したいポイントを絞って選ぶと、満足度の高い買い物ができそうです。

定年退職後におすすめの冷蔵庫

ポイント:冷凍食品より野菜重視

「定年退職世代やシニア世代は野菜を重視される方が多いです。取り出しやすさを重視する方には、東芝の真ん中野菜室が人気です。キッチンの流し台と同じくらいの高さに野菜室があり、立ったりしゃがんだりしなくても取り出しやすいので、腰や膝が痛いという方にも喜ばれています」

東芝以外のほとんどの冷蔵庫は、野菜室が一番下になっています。

日立の冷蔵庫は食品の鮮度を保つ実演中

「野菜の鮮度を重視する方には、日立がオススメです。新鮮スリープ保存と言って、炭酸ガス濃度を高めることにより、野菜に光合成をさせず、眠らせるように保存することで鮮度や栄養素を保ちます」

ほうれん草やレタスなどの葉もの系は痛みやすく、数日でドロドロになってしまいますが、1週間前後はみずみずしさを保てるようです。

「また、日立の冷蔵庫には真空チルドという機能がついています。これは、気圧を下げることで食品の酸化を抑え、鮮度や栄養素、水分量を保つ機能です。食品の乾燥や変色を防ぎ、美味しさを維持します」
真空チルド室のマーガリンは変色していない

さらに、日立の冷蔵庫は他のメーカーよりも一番上の棚が低めに設定してあるとのこと。女性に優しい設計です。

「『うちは夫婦2人だから大きな冷蔵庫はいらない』という方がいらっしゃいますが、実は冷蔵庫って、小さいものより大きいものの方が電気代が安いんです。300リットルクラスが年間1万2千円くらいですが、400リットル500リットルクラスは、年間6700円くらいしかかからないんですよ」

大きい方が電気代がかからないとは驚きですね。

野菜重視なのか、電気代重視なのか、容量重視なのか。

何を重視するかで、どのメーカーにするかがほぼ決まります。夫婦2人暮らしでも、頻繁に買物に行けない方、まとめ買いをしたい方は、少し大きめの方が良いかもしれません。

定年退職後におすすめのオーブンレンジ

ポイント:多機能よりも使いやすさ

「調理家電は多機能のものが増えましたが、定年退職世代やシニア世代の方には、ボタンが大きいものや使い方がわかりやすいものが人気です。上位モデルはセンサーがたくさんついているので、温めや解凍のムラが少ないのですが、設定する項目が多くなります。温めるレンジ機能、焼くオーブン機能、プラス、スチームレンジ機能。これを使うかどうかが購入のポイントになります」

スチームレンジ機能とは、肉まんや茶碗蒸しなど、「蒸し料理」ができる機能。余分な脂と塩分をカットして、ヘルシーに調理します。

ダイヤル部分が大きく数字が見やすいシャープの電子レンジ

「『電子レンジ機能だけでいい』という方がほとんど。シャープから出ている電子レンジは、ダイヤルが大きくて操作しやすく、『何ワットか』『何分か』を設定するだけなので、オススメです」

中には、「娘の家にあって私も欲しくなった」と多機能なものを求める方もいるそうですが、定年退職世代やシニア世代の方の多くは、使い慣れている昔ながらの形のものを選ぶようです。

定年退職後におすすめの掃除機

ポイント:軽さ

「掃除機はやはり、軽いものが人気です。コードレスタイプは、昔は掃除中に充電が切れることがよくありましたが、今は一般的な一戸建てを掃除するには十分なものが出てきて、手軽さで注目を集めています」

コードレスタイプの充電式掃除機の多くは、スティック式で軽く、立ててしまえるので収納場所を取らないのが魅力です。

「日立の『パワーブーストサイクロン』は、重さ1.5キロ。吸い込むヘッドの部分にモーターがついた自走式なので、掃除機が自分で進むような感覚で、ほとんど力が要りません。ただ、充電式なので充電時間が必要なのと、サイクロン式なので紙パック派の方には手入れの面で迷われるかもしれません」

紙パック式はゴミが溜まったら捨てるだけ。サイクロン式はゴミが溜まった部分を外して洗うという手間がかかります。一時期サイクロン式が人気を博していましたが、紙パック派の人が戻ってきて、現在の人気は半々くらいだそうです。

「紙パック派の方には、パナソニックの掃除機がオススメです。約2キロの軽さで持ち運びが楽なため、シニア世代に人気です」

こちらはスティック型ではないですが、本体が小さくてホースも細く、持ったときの軽さに驚きます。おまけに自走式なので力要らず。デメリットがあるとしたら、コードレスタイプではないという点だけです。

持ってみて驚きの軽さ!見た目もスマート!

どちらもかなり軽いので、あとは紙パック派かサイクロン派かで分かれそうです。

定年退職後におすすめの洗濯機

ポイント:タテ型かドラム式か

「洗濯機は縦型とドラム式とで人気が分かれます。洗濯物を取り出すときに腰に負担がかからないのはドラム式かもしれません。でも、外見からは分かりにくいですが、日立の縦型洗濯機は中の洗濯槽が広く、他のメーカーのものより上にあるので、比較的背の低い方や女性でも、取り出しやすいと思います」

言われてみると、確かに洗濯槽の深さが違います。

左が日立製。洗濯槽が少し上にあるため取り出しやすい


「ただ、乾燥するとなると、縦型は乾燥に4〜5時間、電気代は洗濯から乾燥まで86円くらいですが、ドラム式は時間もお金も半分くらいしかかかりません。さらに縦型は構造上、重力のせいで上の洗濯物と下の洗濯物の仕上がりが違ってしまいますが、ドラム式は全体に風を送りやすく、均一に仕上がります。ドラム式にデメリットがあるとすれば、置く場所を取ることです」

最近では、自動で洗剤や柔軟剤量を計量して、投入までしてくれるドラム式洗濯機が登場しています。

乾燥を重視するならドラム式が良さそうですが、一般的には、縦型の方が洗浄力が高いと言われています。縦型でもドラム式でも、スイッチひとつで洗濯できるのは同じ。あとは自分で干すか、乾燥までするかで、どちらにするかが決まりますね。


子どもの独立や定年などの外的な要因だけでなく、「最近膝が痛い」「重いものを持ちたくない」など、内的な要因や変化にも目を向け、新しい生活スタイルに合った家電を選ぶことで、時間的にも心理的にもゆとりが生まれます。

新しい家電は、より美味しいものが食べられたり、もっと快適に暮らせるようになるなど、豊かで楽しい毎日を運んできてくれるはず。家電選びで迷っている方は、一度お店の販売員に相談してみると、目からウロコな情報を仕入れられるかもしれませんね。

(取材・執筆:旦木 瑞穂)

この記事の取材協力先

ビックカメラ新宿西口店 http://www.biccamera.co.jp/shoplist/shop-016.html

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