私らしさを表現する棺

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これから楽交という団体が主催する「世界でひとつ、私だけのづくりワークショップ」に参加してきました。

オリジナルの棺づくり、といっても、実際には取り外しできる布のカバーをつくります。

おそらく大半の方が「棺のカバーって何?」と思うのではないでしょうか。棺を着物や思い出の布で棺をデコレーションする、と言うとイメージが湧くでしょうか。


デコレーションして私だけの棺へ

ウィルライフ株式会社 が取り扱う「エコフィンiS(=i Style)」とは表現する棺。

CO2の排出を抑えた素材(ダンボール)と木材部分には国産杉の間伐材が使用され、環境に優しく、地球環境に貢献できる棺です。

なぜ表現する棺なのか?

エコフィンiSはダンボールという素材を生かし、直接メッセージや絵を描いたり、思い出の写真を貼り付けたり、自分らしく家族らしく棺をデコレーション出来るのです。

メッセージが書き込まれたダンボール棺

そして今回参加したワークショップでは、棺に好きな布を施し、オリジナルの棺をつくるというものでした。

1時間半で世界にひとつの棺へ

ワークショップには皆さん、思い思いの生地を持ち寄り参加されるそうです。若いころにお召になっていた着物やフラダンス教室やお稽古などで使っていた衣装など、それぞれ思い出が詰まっています。

着物を解き、棺の大きさに合わせ生地をカットしていきます。今回は反物を使用したので、解く作業は省略しています。


スタッフの方がサポートしてくれるので安心です(スタッフの田畠さん)


生地と生地をミシンで縫い合わせていきます(エンディングパーク編集部 泉水)

ワークショップでのスタッフの方との会話。

―思い出の布などはありますか?

「二十歳のお祝いで祖母と母が選んでくれた着物でしょうか。小さい頃から使っていたタオルケットとかも今でも落ち着きますね。あとは母が作ってくれた給食のランチョンマットとかでしょうか(笑)」

さすがにランチョンマットと答えた人は初めてだったようですが、自分の生い立ちを表現できそうですね、と共感してくれました。

ワークショップでは、持参した着物や布に纏わる思い出話をご自身から話してくださる方も沢山いらっしゃるそうです。

スタッフの方とおしゃべりをしながら作業をすること、およそ1時間半。あっという間に出来上がりました。(今回は反物を使用したのでいつもより短い時間で仕上がりました)


棺の蓋にカバーをセットします


手作りのカバーを被せた棺

余った生地でスタッフの安田さんがかわいいリボンを作ってくれました。

自分らしさを表現できるダンボール棺

グリーフケアに繋がる?

今回参加してみて、正直はじめはダンボールの棺に抵抗がありましたが、実際に出来上がったものを棺に被せると達成感と同時に愛着が湧いてきました。

スタッフの方と様々な話をしながら2時間弱のワークショップは、「棺作りの時間」ではなく、いつしか「大切な家族との思い出や今までの自分を振り返る時間」になっていたと気付かされました。

生前にご自身の準備をされる方もいらっしゃれば、ご逝去されてからご家族みんなで作られる方もいるそうです。

悲しみの中で作るなんて・・・とも思いますが、その生地に込められた思いや故人との思い出話をしながら作ることが死を受け入れる時間や悲しい気持ちを落ち着かせる時間(グリーフケア)になった、と仰る方もいると伺いました。

2014/06/26 エンディングパーク編集部 泉水


取材協力:これから楽交@西麻布
https://www.facebook.com/
KOREKARAGAKKO


東京都港区西麻布2-26-5 ウィルライフ株式会社内
お問い合わせ: 03-6861-3355

生き方」と「逝き方」を楽しく学ぶコミュニティ。ここでは最期の瞬間を終の彩りとし、自分らしさ、その人らしさを表現することから、「逝き方」を真面目に考え、それを家族に知ってもらう大切さを知り、いつしか「生き方」そのものと向き合える。そんな気づきの集いになればと思い、ワークショップなどを開催しています。

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