五山の送り火

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五山の送り火の意味(五山の送り火とは)

五山の送り火は、京都では、祇園祭同様に夏を代表する風物詩です。山でかがり火を焚く行事で、大文字山のものが有名です。

8月16日に大文字、松ヶ崎妙法、舟形万灯籠、左大文字、鳥居形松明の5つの山で炎を上げて、死者の魂をあの世へ送り届ける送り火を焚く行事です。

当日は午後8時から大文字をスタートに、5つの山で、大文字、妙法、舟形、左大文字、鳥居形の送り火が点火されます。

五山の送り火の起源については、諸説あってはっきりしません。

祖霊が戻っていくといわれている黄泉の国は、平安時代には山奥にあると考えられていました。山奥にはそれに続く天上があるという考えからです。

そのため、送り火は山の中で行われていたとも考えられます。

京都のお盆は、琵琶湖に松明を持って船で乗り出す様子や、鴨川に松明を投げて霊を送ったなどの記録も残されていることから、火のお祭りが盛んだったということです。

五山の送り火の実際

五山の送り火祇園祭は、明治5年からおよそ10年間にわたって禁止されていました。近代化が進む当時は、文化財や伝統保護の意識が低く、祖先の霊を送る行事である大文字や祇園祭は迷信であるという考えが主流になったのが理由です。

その後再開こそされたものの、金銭面でのサポートを受けることも難しく、送り火は昭和にかけて徐々に規模を縮小していきました。

五山の送り火は本来、十山で行われていました。大正初期までは点火されていたはずという竿に鈴と呼ばれる送り火に関しては、今ではどこで行われていたのかすら、場所も定かではなくなっています。

五山の送り火は、このように公的資料が不足していて、謎が多いのも興味深い点です。

<関連する用語>:送り火 祇園祭 お盆 盆棚

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