心の相続

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一般的に、「相続」と耳にすると、ほとんどの方は、家のことや、預貯金などの財産の事を想像するのではないでしょうか?

確かに、その部分がもっとも重要だと思っておられる方が多いのは事実ですが、この10年、相続手続きをサポートさせていただき、実はそうではないのかな?と思うことが多くなりました。

たとえば、家族を守るために蓄えた財産が、争いの元となり、挙句の果ては、家族がバラバラになってしまうことも少なくはありません。

家族を困らせる為に遺した財産ではなく、家族を豊かにするためのものなのに、全く見当違いの方向に進んでしまっている場合があります。

この記事を書いた専門家

支援センター 長井俊行(ながいとしゆき)
相続手続支援センターなにわ支部 所長
年間200件以上の相続関係の相談に対応する。1人でも多く争続で悩む人を減らしたい。そんな想いを持って対応しています。

何が「争う家族」にしてしまうのか?

永遠に答えのない問いかもしれませんが、その原因のひとつに、現在の「家族」の成り立ちがあげられるのではないでしょうか。

「核家族化」として、数十年前からメディアは注目してきましたが、現在では、完全な核家族ばかりです。

ひどい場合は、その家族すらも、父は単身赴任・子供は大学進学とともに一人暮らしを始め、母だけが一軒家にひとり暮らし・・・ということも、しばし見受けられます。

コミュニケーションの重要性は、誰もが理解している事実だと思いますが、相続の場合、このことに気づいている人は少ないように思います。

コミュニケーションがよく取れた家族での相続手続きをサポートしていて、揉め事に発展したケースはほとんどありませんが、逆の場合は、結構な頻度で揉め事になり、弁護士介入のケースを見てきました。

孫に伝えてほしい大切なこと

さらに、周りを見渡せば、核家族として生活をし、親子間コミュニケーションが乏しくなる一方、祖父母と孫との関わり方も変化しつつあります。

昔は、「ものを大事にしなさいよ」「挨拶をしなさいよ」など、小言というと語弊はありますが、親から教わることよりも祖父母の言葉から学ぶことの方が多かったのではないでしょうか?

しかし、現在では、同居している家族を探す方がむずかしく、現状では、「たまに会う、おもちゃを買ってくれるおじいちゃん・おばあちゃん」なのです。

私のセミナーでは、このおじいちゃん・おばあちゃん世代の方に、「もっと、自分の歴史を語ってください」と伝えています。

「歴史」というと壮大な感じがするかもしれませんが、自分の生まれ育ったふるさとの話、おじいちゃん・おばあちゃんとの出会い、そして、君たちのお父さん・お母さんが生まれたという話・・・。

話し出せばきりがありません。重要な話ではないように思いがちですが、実際に、歴史本に載っていない家族の話だからこそ、祖父母が行うべきことなのかもしれません。

「心の相続」を大事に感じている家族だからこそ「遺産を家族の繁栄のために」を意識しながら、相続できる。これが、私が10年間、相続手続きを行ってきた理想の家族像なのです。

節税対策・土地の有効活用・財産の処分など、一般的に相続対策といわれている事は多数存在しますが、「心の相続の方法」はどこに行っても教えてもらえません。

これこそ、家族単位で方法が違うので、一般的には・・・という話はむずかしいでしょう。

今からできる「家族間コミュニケーション」を、まずは、親子間で話合ってみてはいかがでしょうか。

この記事をエントリーした専門家

長井俊行(ながいとしゆき)
相続手続支援センターなにわ 所長
住所:大阪市浪速区大国1-5-4 MKビル4F
電話相談:0120-351-556 (エンディングパークを見ましたとお伝えください)
年間200件以上の相続関係の相談に対応する。1人でも多く争続で悩む人を減らしたい・・・そんな想いを持って対応しています。

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